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第104回薬剤師国家試験 問106(理論問題) NMRスペクトル

図は桂皮酸イソプロピルエステル[C6H5CH=CHCOOCH(CH3)2]の1H–NMR スペクトル[300 MHz、CDCl3、基準物質はテトラメチルシラン(TMS)]である。このスペクトルに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。なお、 7.26ppmのシグナルはCDCl3 に含まれる微量のCHCl3に起因するものである。

  1. 1.3 ppm付近には積分値が 3H 分の一重線が2本ある。
  2. 5.2 ppm付近には五重線がある。
  3. 6.5ppm付近の二重線の結合定数が16 Hzであるとき、二重結合はE配置である。
  4. 矢印で示す7.5ppm付近の多重線の積分値は3H分ある。
  5. 最も低磁場のシグナルは、芳香環上のプロトンに由来する。

解答・解説

解答
3

動画解説


解説
1 誤
本化合物中には、イソプロピル基(−CH(CH3)2)があるため、1.3 ppm付近には積分値が6H分の二重線が1本ある。

2 誤
5.2 ppm付近には、下線のプロトン(イソプロピル基(−CH(CH3)2 ))のシグナルが現れると考えられる。下線のプロトンの隣には等価なプロトンが6個存在するため、七重線となる。

3 正
二置換アルケンでは、E配置、Z配置により結合定数が異なる。一般にE配置では、結合定数が13〜18Hzとなり、Z配置では結合定数が7〜12Hzとなる。

4 誤
矢印で示す7.5ppm付近の多重線の積分値は2H分ある。

5 誤
最も低磁場のシグナルは、二置換アルケンに結合したプロトンに由来する。

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