以下に示すE2反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 化合物Aの最も安定な立体配座はⅡである。
- 脱離反応はIの立体配座のときに進行する。
- 主生成物はBである。
- この反応はカルボカチオン中間体を経由する。
- この反応の速度は、化合物A及びNaOC2H5のいずれの濃度にも比例する。
以下に示すE2反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答 解説 2 誤 3 誤 4 誤 5 正解答・解説
1、5
1 正
シクロヘキサンがいす形配座となり、最も大きい置換基がエクアトリアル位にある場合、最も安定な立体配座となる。このことから、立体障害の大きい基であるイソプロピル基(−CH(CH3)2)がエクアトリアル位に結合したⅡの立体配座が最も安定である。
E2反応では、脱離基とanti(trans)位にあるHが脱離して反応が進行する。Ⅰの立体配座では脱離基(Cl)がエクアトリアル位にあり、脱離するH(イソプロピル基の結合している炭素に結合したH)もエクアトリアル位にあるため、両者はanti平面上に存在しない。このことからⅠの立体配座では、E2反応は進行しない。なお、Ⅰの立体配座の化合物がE2反応する際には、環反転しⅡの立体配座となり反応が進行する。
脱離反応は一般にザイツェフ則(HXが脱離する際、HはHの少ない方から脱離する)に従って進行する。このことから、この反応における主生成物はC(イソプロピル基が結合した炭素よりHが脱離して生成した化合物)となる。
E2反応は、カルボカチオン中間体を経由せず進行する。なお、カルボカチオン中間体を経由して進行する反応はE1反応である。
E2反応の速度は、基質(化合物A)と試薬(NaOC2H5)のいずれの濃度にも比例する。
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