エチレンジアミン四酢酸(EDTA)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 塩基性条件下で十座配位子として働く。
- 酸性条件下では、塩基性条件下より強く配位結合する。
- キレート効果により、アンモニアよりも安定な錯体を形成する。
- カルシウムイオンとの配位結合形成により蛍光特性が変化するため、カルシウムイオンの定量分析に用いられる。
- 配位結合により、五員環のキレート環を形成する。
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答 解説 2 誤 3 正 4 誤 5 正解答・解説
3、5
1 誤
EDTAは、分子内に4個のカルボキシ基と2個の窒素原子を配位原子にもつ六座配位子であり、金属イオンと1:1で結合し、安定なキレートを形成する。
酸性条件下では、EDTA中の2個の窒素原子がプロトンを受け取りN+となる(配位結合するために必要なローンペアにH+が結合する)ため、配位結合を形成しにくくなる。
キレートとは、複数の配位原子をもつ配位子と金属イオンとの結合のことである。アンモニアは単座配位子(配位原子を1つ有する配位子)であり、金属イオンとキレートを形成することができない。それに対してEDTAは六座配位子であり、金属イオンとキレートを形成することができる。EDTAは、アンモニアと異なり、キレートを形成することができるため、安定な錯体を形成することができる。
カルシウムイオンとEDTAは配位結合しても蛍光特性は変化しない。カルシウムイオンをEDTAにより定量する際には、指示薬(NNやEBT)を添加し、その色調変化により滴定終点を検出する。
コメント