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第103回薬剤師国家試験 問256〜257(実践問題) 過去問解説

50歳女性。頻尿、排尿痛があり泌尿器科を受診し、尿道炎と診断され処方(処方1)が出された。同日、歯科にて抜歯し処方(処方2)が出され、近くの薬局にて処方1と2の薬を受け取った。4日後薬局に電話をかけ、「もらった薬は決められたように飲んでいる。痛み止めは昨日まで7回飲んだ。昨日から太ももが痛く、今日は、手足がだるく、足に力が入らず歩けないため仕事を休んだ。このまま薬を服用していいか。」と相談した。来局時、お薬手帳は持参しておらず、聞き取りでは「薬の名前は覚えていないが、他の薬局でもらった骨の薬と、コレステロールの薬と、胃薬を飲んでいる。」とのことであった。そこで、薬剤師が電話口でこの女性にお薬手帳を確認してもらったところ、1年ほど前から他の薬局にて調剤された薬剤を継続服用していることが明らかになった。薬剤師は薬物相互作用を疑い、直ちに処方医に連絡をした。

問256 (実務)
次の作用様式のうち、この患者が服用した5つの薬物のいずれかの作用機序に当てはまるのはどれか。2つ選べ

  1. 核内受容体刺激
  2. Gタンパク質共役型受容体遮断
  3. DNA複製阻害
  4. 細菌のリボソームのタンパク質合成阻害
  5. タンパク分解酵素阻害

解答・解説

解答
1、4

解説
患者が服用している薬物の作用機序及び作用について以下に示す。
クラリスロマイシン
細菌の70Sサブユニットの50Sサブユニットに結合し、タンパク質合成を阻害する。
・ロキソプロフェン
シクロオキシゲナーゼを阻害することにより、プロスタグランジンの生合成を抑制する。
・アルファカルシドール
肝臓で水酸化を受け活性型VD3となり、核内のVD3受容体を刺激することにより腸管からのカルシウムの吸収及び腎臓でのカルシウムの再吸収を促進する。
・ポラプレジング
胃粘膜に付着し、細胞保護作用、膜安定化作用、活性酸素除去作用、創傷治癒促進作用などを示す。
・シンバスタチン
HMG−CoA還元酵素を阻害することにより肝臓におけるコレステロール合成を阻害する。

問257 (薬理)
薬剤師が薬物相互作用の原因と考えた薬剤はどれか。2つ選べ。

  1. アルファカルシドールカプセル
  2. ポラプレジング口腔内崩壊錠
  3. シンバスタチン錠
  4. クラリスロマイシン錠
  5. ロキソプロフェンナトリウム水和物錠

解答・解説

解答
3、4

解説
本症例では、アルファカルシドール、ポラプレジング、シンバスタチン服用中にクラリスロマイシン、ロキソプロフェンナトリウムを併用することにより、患者は「太ももが痛い」「手足がだるい」「足に力が入らず歩けない」などの症状を訴えている。このことから、クラリスロマイシンのCYP3A4阻害作用によりシンバスタチンの代謝が阻害され、副作用である横紋筋融解症を誘発したと考えられる。

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