65歳女性。脳血管疾患の既往無し。数年前より軽度認知障害があり、CT検査で大脳皮質の萎縮が認められ、アルツハイマー病と診断された。下記の処方で服薬は正しくなされていた。最近、見当識障害や判断能力が悪化し、日常生活に介助が必要となることが多くなったため、心配した家族に同伴されて病院を受診した。本患者の今後の薬物治療方針として正しいのはどれか。2つ選べ。
- ドネペジル塩酸塩の増量
- リバスチグミンの併用
- ガランタミン臭化水素酸塩の併用
- メマンチン塩酸塩の併用
- メチルフェニデート塩酸塩の併用
65歳女性。脳血管疾患の既往無し。数年前より軽度認知障害があり、CT検査で大脳皮質の萎縮が認められ、アルツハイマー病と診断された。下記の処方で服薬は正しくなされていた。最近、見当識障害や判断能力が悪化し、日常生活に介助が必要となることが多くなったため、心配した家族に同伴されて病院を受診した。本患者の今後の薬物治療方針として正しいのはどれか。2つ選べ。
解答 解説 2 誤 3 誤 4 正 5 誤解答・解説
1、4
<本症例の背景>
・脳血管疾患の既往無し→脳血管性痴呆の可能性低い
・アルツハイマー病の進行抑制のためドネペジル塩酸塩錠5 mgが処方されている
・服用は正しくなされている→コンプライアンス良好
・見当識障害や判断能力が悪化→アルツハイマー病が進行している
*本患者に処方されているドネペジル塩酸塩は、アセチルコリンエステラーゼを阻害することによりアルツハイマー病の進行を抑制する。
1 正
ドネペジル塩酸塩は軽度〜高度のアルツハイマー病に用いることができ、最大投与量が10 mgとされている。このことから、本症例においてドネペジル塩酸塩の増量を検討することは適切である。
ドネペジル塩酸塩服用中には、同じ作用機序を有するリバスチグミンやガランタミン臭化水素酸塩を併用しない。
解説2参照
ドネペジル塩酸塩とメマンチン塩酸塩(作用機序:グルタミン酸NMDA受容体の非競合的遮断)は異なる作用機序を有しており、併用することが可能である。中等度から高度のアルツハイマーに対してドネペジル塩酸塩とメマンチン塩酸塩を併用して用いることがある。
メチルフェニデート塩酸塩は、アルツハイマー病の進行抑制には用いられない。
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