マウスのある細胞において、タンパク質(ア)及び(イ)の産生は転写因子Xにより調節されている。両タンパク質の産生に対するその転写因子の機能を明らかにするため、以下のsiRNA(低分子干渉RNA)導入実験を行った。実験方法、原理と考察に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。
【実験】
転写因子Xに対するsiRNAを導入していない細胞A及び導入した細胞Bを24時間培養した。その後、細胞を破壊し、全タンパク質を回収して、それぞれ試料A及びBとした。同一タンパク質量の試料A及びBを用いてSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、分離されたゲル中のタンパク質をニトロセルロース膜に転写した。次に、そのニトロセルロース膜においてタンパク質(ア)及び(イ)に対する特異的抗体を用いた抗原抗体反応を行った。その結果、図のようにそれぞれのタンパク質に特異的なバンド(黒色)を検出した。なお、実験に用いた。siRNAは特異的に転写因子XのmRNAをノックダウンすること、そのノックダウン効果は培養24時間の時点で最大となること、さらにタンパク質(ア)及び(イ)のニトロセルロース膜への転写効率に差がないことを確認している。
- 転写因子Xの遺伝子が存在する染色体が、導入されたsiRNAにより破壊される。
- 図は、サザンブロット法を用いて得られた結果である。
- 転写因子Xは、タンパク質(ア)をコードする遺伝子の転写を抑制的に調節していると考察される。
- タンパク質(イ)の産生は、転写因子Xにより抑制的に調節されると考察される。
- 転写因子XのsiRNAによるノックダウン効果は、細胞Bをさらに培養することにより減弱すると予想される。
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