腎移植を受けた患者が退院間近になり、病棟担当薬剤師が退院時服薬指導のために病室を訪問した。患者から、「移植コーディネーターから、退院後の食生活で特にセントジョーンズワートや柑橘類、生魚などの摂取は控えるように言われているのですが、どのような理由なのでしょうか」との質問があった。なお、当該患者にはシクロスポリンが処方されている。
問270 (実務)
上記の質問に対する薬剤師の回答として適切なのはどれか。2つ選べ。
- セントジョーンズワートは、免疫抑制薬の働きを弱める恐れがあるからです。
- セントジョーンズワートは、免疫抑制薬の血中濃度を高める恐れがあるからです。
- 柑橘類の中には免疫抑制薬の働きを弱めてしまうものがあるからです。
- 生魚の成分には免疫抑制薬の働きを強めてしまうものがあるからです。
- 生魚に付着している微生物によって食中毒を起こす恐れがあるからです。
問271 (薬剤)
シクロスポリンの経口投与時の体内動態および投与設計に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- シクロスポリンの投与量は、腎移植後の日数に関わらず一定に保つことが推奨される。
- シクロスポリンの投与設計は、一般にトラフ濃度に基づいて行われる。
- シクロスポリンによる腎移植後の拒絶反応のコントロールが不良の場合は、シクロスポリンとタクロリムスの併用を行う。
- 血清クレアチニン値の上昇が観察された場合は、シクロスポリンによる副作用の可能性があるため、直ちに休薬する必要がある。
- 自己乳化型マイクロエマルション製剤投与後のシクロスポリンの消化管吸収は、胆汁分泌量や食事の影響を受けにくい。
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