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第100回薬剤師国家試験 問119

下図は、ある抗原をマウスに投与したときの血液中の抗体価を調べた実験結果である。実験では、同一の抗原を矢印(1)及び(2)で示す時期に投与した。曲線A及びBは、それぞれIgGあるいはIgMのいずれかの測定値である。これに関連する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 曲線AはIgG、曲線BはIgMの測定値をそれぞれ示している。
  2. 曲線Bの30日目以降に認められる抗体価の急激な上昇には、記憶細胞の形成が関与する。
  3. (2)の抗原投与の後、曲線Bのように急激に抗体価が上昇する現象は、自然免疫の特徴である。
  4. (2)の抗原投与の後、曲線Aに比べ曲線Bがより顕著に上昇する現象には、抗体のクラススイッチが関与する。

解答・解説

解答
2、4

解説
1 誤
一次免疫応答(ある抗原が生体に初めて侵入したときに起こる免疫反応)では、先にIgMが産生され、次にIgGが産生される。よって、曲線A:IgM、曲線B:IgGの測定値をそれぞれ示している。

2 正
曲線Bの30日目以降に認められる抗体価の急激な上昇は、2度目の抗原刺激によるものであり、一次免疫応答で形成された記憶細胞の形成が関与している。

3 誤
(2)の抗原投与の後、曲線Bのように急激に抗体価が上昇する現象は、獲得免疫の特徴である。

4 正
クラススイッチとは、産生する抗体の可変部(V領域)のアミノ酸配列は変化することなく、定常部(C領域)のアミノ酸配列が変化する現象のことである。一次免疫応答により一部のB細胞はクラススイッチによりIgGを産生することができる記憶細胞となる。そのため、(2)の抗原投与後、曲線Aに比べ曲線Bがより顕著に上昇する現象がみられる。

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