生物由来製品感染等被害救済制度は、ワクチンや血液製剤などの生物由来製品の使用により、感染症などの健康被害を受けた人を救済するための制度である。
これは、医薬品の副作用被害を補償する*医薬品副作用被害救済制度」と類似しているが、生物由来製品に特化した救済制度として独立している。

🧪生物由来製品、特定生物由来製品とは?
生物由来製品とは、人その他の生物(植物を除く。)に由来するものを原料又は材料として製造(小分けを含む。)をされる医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。
特定生物由来製品とは、生物由来製品のうち、販売し、貸与し、又は授与した後において当該生物由来製品による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置を講ずることが必要なものであって、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。
🔹 代表的な生物由来製品
分類 | 例 |
---|---|
ワクチン | インフルエンザワクチン、B型肝炎ワクチン |
血液製剤 | アルブミン製剤、免疫グロブリン製剤 |
遺伝子組換タンパク製剤 | インスリン製剤、抗体製剤 |
⚖️救済の対象となる健康被害
- 適正な使用目的に従い適正に使用された場合
- 入院を要する程度の医療を必要とする場合
- 賠償責任を有する者が明らかでない場合
(製造販売業者の過失が証明された場合、その製造販売業者が健康被害者へ損害賠償を支払う)
📝救済内容(特典の種類)
被害者やその家族に対して、以下の給付が行われる。
- 医療費及び医療手当
- 障害年金
- 障害児養育年金
- 遺族年金又遺族一時金
- 葬祭料
📝 申請方法
- 被害者または家族がPMDA(医薬品医療機器総合機構)に申請
- 審査(専門委員会が医学的偶然関係を検討)
- 救済給付の決定
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