覚えること
- 片頭痛は三叉神経の活性化 → CGRP遊離 → 血管拡張・神経原性炎症で起こる。
- 急性期治療の第一選択はNSAIDs・トリプタン製剤である。
- トリプタン製剤は5-HT1B/1D受容体刺激薬であり、血管収縮とCGRP遊離抑制を示す。
- エルゴタミンも5-HT1B/1D受容体刺激薬だが、副作用・相互作用が多い。
- 予防薬はロメリジン・プロプラノロール・バルプロ酸・抗CGRP抗体を使い分ける。
- 急性期治療薬を月10日以上使用すると薬物乱用頭痛の原因になる。
片頭痛とは?
片頭痛は、こめかみから側頭部に生じる拍動性の中等度〜重度の頭痛である。女性に多く、発作前には疲労感・肩こり・光や音への過敏、さらに閃輝暗点などの前兆を伴うことがある。
ポイント
片頭痛は「血管が広がる病気」ではなく、三叉神経が活性化してCGRPが放出される病気と考えると理解しやすい。
片頭痛の病態
現在もっとも重要なのが三叉神経血管説である。
片頭痛が起こる流れ
音・光・ストレスなどの刺激→三叉神経が活性化
→CGRP・サブスタンスP遊離
→頭蓋血管拡張・血管透過性亢進
→神経原性炎症
→拍動性頭痛
しもっち「三叉神経 → CGRP → 血管拡張」の流れをまず押さえよう!
CGRPとは?
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、三叉神経終末から放出される血管拡張性ペプチドである。
- 一次感覚ニューロンに存在
- 強力な血管拡張作用
- 神経原性炎症を引き起こす
そのため、近年はCGRPそのものやCGRP受容体を標的とした抗体製剤が登場している。
片頭痛治療の考え方
治療は「発作を止める薬」と「発作を減らす薬」に分けて考える。
急性期治療
- 軽度〜中等度:NSAIDs
- 中等度〜重度:トリプタン製剤
- 効果不十分:NSAIDs併用・エルゴタミンへ変更
発作予防
- ロメリジン
- プロプラノロール
- バルプロ酸
- 抗CGRP抗体



- 発作中 → トリプタン・NSAIDs
- 発作を繰り返す → 予防薬
ここを間違えると薬が全部逆になります!
片頭痛治療薬
トリプタン製剤
スマトリプタン・ゾルミトリプタン・リザトリプタン・エレトリプタン・ナラトリプタンが代表薬である。
⚫️作用機序
トリプタン製剤は5-HT1B/1D受容体刺激薬である。
5-HT1B刺激→ 頭蓋血管収縮
5-HT1D刺激→ CGRP遊離抑制
つまり、血管を縮める+CGRPを止めるの2方向で片頭痛を改善する。
- 片頭痛発作時のみ使用
- 予防薬には用いない
- 効果不十分なら追加投与可能(通常2時間以上)
⚫️副作用
- 虚血性心疾患
- めまい
- 眠気
⚫️併用禁忌
- エルゴタミン製剤
- リザトリプタン+プロプラノロール
エルゴタミン製剤
代表薬はエルゴタミン・カフェイン配合剤である。
トリプタンと同じく5-HT1B/1D受容体刺激である。
- 片頭痛発作初期に使用
- 現在はトリプタンが優先される
⚫️副作用
- 悪心
- 嘔吐
- 食欲不振
- 眠気
⚫️併用禁忌
- トリプタン製剤
- CYP3A4阻害薬(マクロライド・アゾール系など)



だから一緒に使うと血管収縮が強くなり危険なんです。
ロメリジン
ロメリジンはCa²⁺チャネル遮断薬である。
血管平滑筋や神経細胞へのCa²⁺流入を抑制し、片頭痛発作を予防する。
- 片頭痛予防薬
- 発作時には使用しない
抗CGRP抗体
ガルカネズマブ
- CGRPそのものに結合
- CGRP活性を阻害
エレヌマブ
- CGRP受容体に結合
- CGRP作用を阻害
どちらも片頭痛発作予防に用いられる。



ガルカネズマブ → CGRP
エレヌマブ → CGRP受容体
薬物乱用頭痛
急性期治療薬を頻回に使用すると、頭痛が慢性化することがある。これを薬物乱用頭痛という。
⚫️防止策
- 急性期治療薬は月10日以内
- 発作回数が多い場合は予防薬へ切り替える



国家試験での狙い目
- 片頭痛=三叉神経血管説
- CGRP=血管拡張・神経原性炎症
- トリプタン=5-HT1B/1D刺激
- 5-HT1B=血管収縮
- 5-HT1D=CGRP遊離抑制
- トリプタンは予防薬ではない
- ロメリジン・抗CGRP抗体=予防薬
- 薬物乱用頭痛=急性期治療薬を月10日以上使用
1問1答で確認しよう
Q1. 片頭痛の病態で最も重要な神経ペプチドは?
→ CGRP
Q2. トリプタン製剤が刺激する受容体は?
→ 5-HT1B/1D受容体
Q3. 5-HT1B受容体刺激による作用は?
→ 頭蓋血管収縮
Q4. 5-HT1D受容体刺激による作用は?
→ CGRP遊離抑制
Q5. トリプタン製剤は予防薬として用いる?
→ 用いない
Q6. ロメリジンは急性期・予防のどちら?
→ 予防
Q7. ガルカネズマブが結合する標的は?
→ CGRP
Q8. エレヌマブが結合する標的は?
→ CGRP受容体
Q9. トリプタンと併用禁忌なのは?
→ エルゴタミン
Q10. 薬物乱用頭痛を防ぐため、急性期治療薬は月何日以内?
→ 月10日以内



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