薬剤師国家試験出題項目

片頭痛治療薬

1 片頭痛

 片頭痛とは、主に拍動性の中等度〜重度の頭痛発作がこめかみから側頭部に現れる慢性頭痛のことであり、男性に比べ女性に多い。原因は明確ではないが、三叉神経や脳血管が頭痛発作に関与していると考えられている。
片頭痛発作が現れる前に、前駆症状(疲労感、集中力低下、肩・首の凝り、光・音過敏など)、前兆現象(閃輝暗点など)が認められることがある。

●片頭痛の薬物療法
 発作発現時の軽度〜中等度の頭痛に対して、NSAIDsが用いられるが、NSAIDsの効果が不十分な場合には、トリプタン製剤が用いられる。また、中等度〜重度の頭痛に対して、トリプタン製剤が用いられるが、トリプタン製剤の効果が不十分な場合には、トリプタン製剤にNSAIDsを併用したり、エルゴタミン製剤を用いることがある。
片頭痛発作予防薬(ロメリジン、パルプロ酸、プロプラノロールなど)は、トリプタン製剤で発作をコントロールできない場合に用いられる。

●薬物乱用頭痛
 頭痛発作時に急性期治療薬を短期間で服用すると、薬の効果が減弱し、慢性的に頭痛が発生するようになる(この状態を薬物乱用頭痛という)。
<薬物乱用頭痛防止策>
急性期治療薬の服用は月10日以内とする。
<薬物乱用頭痛への対策>
発作予防薬により頭痛の回数を減らす。

1)片頭痛の病態生理

 片頭痛の発生の機序は明確になっていないが、血管説と三叉神経説が提唱されている。

●血管説
①:ストレスなどによりセロトニンが過剰放出され脳血管が収縮する
②:セロトニンが分解され、急激に血管が拡張することで血管透過性が亢進する
③:血管透過性が亢進して血管浮腫が生じ三叉神経が刺激され、頭痛が誘発される

●三叉神経説
①:音・臭い・光などの刺激により、三叉神経から血管作動性物質(サブスタンスPなど)が分泌される
②:血管が拡張することで血管透過性が亢進するとともに血管周辺の肥満細胞からケミカルメディエーターが遊離する
③:血管周辺の三叉神経が神経原性炎症を誘発する
④:神経原性炎症は徐々に広がり痛みが発生する

2 片頭痛治療薬

1)トリプタン製剤

① スマトリプタン ② ゾルミトリプタン ③ リザトリプタン
④ エレトリプタン ⑤ ナラトリプタン

・セロトニン5–HT1B /1D受容体を選択的に刺激する。
・片頭痛時の過度に拡張した血管を収縮させる。
・片頭痛の発作に用いられる(予防薬としては用いられない)。
・エルゴタミン製剤と併用することはできない(投与禁忌)。
・リザトリプタンは、プロプラノロールと併用することができない(投与禁忌)。
・効果不十分な場合には、2時間以上あけて追加投与することが可能である※例外あり
※例外:ナラトリプタンは4時間以上あけて追加投与することが可能である。
・スマトリプタン、ゾルミトリプタン、リザトリプタンは短時間作用型、エレトリプタン、ナラトリプタンは長時間作用型に分類される。
・副作用として虚血性心疾患、めまい、眠気を誘発することがある。

2)エルゴタミン製剤

①  エルゴタミン・カフェイン合剤

・セロトニン5–HT1B /1D受容体を選択的に刺激する。
・片頭痛時の過度に拡張した血管を収縮させる。
・片頭痛の発作初期に用いる。
・トリプタン製剤と併用することはできない(併用禁忌)。
・CYP3A4で代謝されるため、CYP3A4阻害薬と相互作用を起こす可能性がある。
HIVプロテアーゼ阻害薬、マクロライド系抗生物質、アゾール系抗真菌薬とは併用禁忌である。
・妊婦に投与することができない(投与禁忌)。
・副作用として、悪心・嘔吐、食欲不振、眠気を誘発することがある。

◇関連問題◇
第99回問155、第100回問322、第102回問156、第104回問298

-薬剤師国家試験出題項目

Copyright© yakugaku lab , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.