熱分析

熱分析

熱分析とは、物質の温度を変化させながら、その物質の物理的性質を温度の関数として測定する方法の総称である。
熱分析法には、「熱重量測定法」「示差熱分析法」「示差走査熱量測定法」などがある。

1 熱重量測定法

熱重量測定(TG、TGA)は、試料温度を変化または保持させながら、試料物質の質量を温度または時間の関数として測定する方法である。本測定法では、加熱に伴う質量の減少を確認することができるため、溶媒の脱離、昇華、熱分解などを定量的に評価することができる。

<TG測定例>
 シュウ酸カルシウム一水和物(CaC2O4・H2O)

温度の上昇に伴い①、②、③で質量の減少が伴う。
①水和水1分子の脱水により質量が減少する。②シュウ酸の2つのカルボキシ基から一酸化炭素の脱離反応により質量が減少する。③炭酸カルシウムが分解されることにより質量が減少する。

①:CaC2O4・H2O → CaC2O4 + H2O ↑
②:CaC2O4 → CaCO3 + CO ↑
③:CaCO3→CaO + CO2

2 示差熱分析法

示差熱分析法(DTA)は、同一条件で基準物質と試料を加熱(または冷却)し、両者の間に生じる温度差を測定する方法である。基準物質には、α−アルミナ又は空容器が用いられる。

<示差熱分析法で得られるグラフ>
縦軸に基準物質と試料の温度差、横軸に時間(温度)をプロットしたものであり、相転移、化学反応による吸熱・発熱現象を測定することができる。

3 示差走査熱量測定法

示差走査熱量測定法(DSC)は、同一条件で基準物質と試料を加熱(または冷却)し、両者の温度差を0に保つように熱補償ヒーターで熱を加える(試料が吸熱するときは試料側に熱を加え、試料が発熱するときは基準物質側に熱を加える)。

<示差走査熱量測定法で得られるグラフ>
縦軸に基準物質と試料の温度差を0にするために加えた熱量、横軸に温度または時間をプロットしたものであり、試料の比熱、反応熱、転移熱、結晶化速度、反応速度を知ることができる。

◇演習問題◇
第89回問31