薬剤師国家試験出題項目

炎症性腸疾患治療薬

炎症性腸疾患治療薬

1 炎症性腸疾患(IBD)

 炎症性腸疾患とは、腸に炎症をきたす疾患の総称であり、原因がはっきりした特異的炎症性腸疾患(感染性腸炎、薬剤性腸炎など)と原因不明な非特異的炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎など)がある。一般に炎症性腸疾患とは、クローン病、潰瘍性大腸炎のことを示し、それらの治療には、5−アミノサリチル酸製剤、ステロイド、免疫抑制薬、抗TNF−α製剤、ヤヌスキナーゼ阻害薬などが用いられる。

2 炎症性腸疾患治療薬

1)5–アミノサリチル酸製剤

① サラゾスルファピリジン ② メサラジン

・サラゾスルファピリジンは、大腸の腸内細菌により還元され、スルファピリジンと5–アミノサリチル酸へ分解される。活性体の5–アミノサリチル酸が大腸で抗炎症作用を示す。
・メサラジンは、5–アミノサリチル酸であり、そのまま経口投与すると、ほとんど小腸で吸収され病変部の大腸に到達しないため、腸溶剤として用いられる。

2)抗TNF–α製剤

① インフリキシマブ
・遺伝子組換え抗ヒトTNF−αモノクローナル抗体であり、選択的にTNF−αと結合し、血中TNF−α中和作用とサイトカインIL−1及びIL−6の産生抑制作用を示す。
・副作用として、感染症、投与時反応(アナフィラキシー、発熱、頭痛など)、間質性肺炎、血液障害、肝障害を起こすことがある。

② アダリムマブ ③ ゴリムマブ
・遺伝子組換え完全ヒト型抗ヒトTNF−αモノクローナル抗体であり、選択的にTNF−αと結合し、TNF−αの作用を減弱させる。
・副作用として、重篤な感染症、結核などを起こすことがある。

3)ヒト型抗ヒトIL–12/23p40モノクローナル抗体

① ウステキヌマブ
・IL-12/23共通のタンパク質であるp40に特異的に結合する。IL12/23の生理活性を抑制する。
・IL–12によるCD4陽性ナイーブT細胞からのTh1細胞への分化を抑制するとともにIL-23によるTh17の分化活性化を抑制することでクローン病および潰瘍性大腸炎における炎症を抑制する。

4)ヤヌスキナーゼ阻害薬

① トファシチニブ

・T細胞やマクロファージなどの細胞シグナル伝達に関わるヤヌスキナーゼ(YAK)1及び3を阻害し、インターロイキンやインターフェロンの働きを抑制することにより炎症サイトカインや免疫グロブリンの産生を抑制する。
・副作用として、感染症、肝機能障害、悪性腫瘍、好中球・リンパ球減少などを起こすことがある。

炎症性腸疾患治療薬テキスト PDF

◇関連問題◇
第104回問37

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