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汗腺(Sweat Gland)

汗腺は、皮膚の真皮または皮下組織に存在する腺組織で、汗を分泌する器官である。汗腺は体温調節や皮膚の保湿、老廃物の排出に寄与し、人間の体にとって重要な役割を果たしている。

種類

汗腺は以下の2種類に分類される:

  1. エクリン汗腺(Eccrine Sweat Gland)
    • 体全体に広く分布しており、特に額、手のひら、足の裏に多い。
    • 小型の管状腺で、直接皮膚の表面に開口する。
    • 主に体温調節のために水分を多く含む汗を分泌する。
  2. アポクリン汗腺(Apocrine Sweat Gland)
    • 脇の下、乳輪、外陰部、肛門周囲など、特定の部位に分布。
    • 毛包に開口し、脂質やタンパク質を含む粘り気のある汗を分泌。
    • 分泌物が皮膚表面の細菌によって分解されることで体臭の原因となる。

構造

  1. 汗腺の構成
    • 分泌部:真皮または皮下組織に存在し、汗を産生する部位。
    • 導管部:分泌物を皮膚表面または毛包へ運ぶ管。
    • 開口部:皮膚表面または毛包に開く出口。

機能

  1. 体温調節
    • エクリン汗腺から分泌される汗が蒸発する際に体温を下げる役割を果たす(蒸発熱)。
  2. 老廃物の排出
    • 汗にはナトリウムやカリウム、尿素、乳酸などの老廃物が含まれるため、体内の不要物の排出に貢献する。
  3. 皮膚の保護と保湿
    • 汗の成分が皮膚表面に薄い酸性の膜(皮脂膜)を形成し、皮膚を保湿し、外部の細菌やウイルスから守る。
  4. フェロモン分泌
    • アポクリン汗腺はフェロモンの分泌に関与し、種の生存や社会的行動に関連する役割を果たしていると考えられる。

異常と疾患

  1. 発汗異常
    • 多汗症:汗の分泌が過剰になる状態。手のひらや脇などに局所的に起こることが多い。
    • 無汗症:汗の分泌が不足する状態で、体温調節が困難になる。
  2. 汗腺感染症
    • 汗腺膿瘍(Hidradenitis Suppurativa):アポクリン汗腺の慢性炎症や感染症。
    • あせも(汗疹):汗腺が詰まることで炎症が生じる状態。
  3. 臭いの問題
    • 腋臭症(ワキガ):アポクリン汗腺からの分泌物が細菌によって分解され、強い体臭を生じる。

 

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