薬剤師国家試験出題項目

排泄過程における相互作用

1 尿細管分泌過程における相互作用

 尿細管分泌は、担体介在輸送により行われるため、同じ担体を介して分泌される薬物を併用すると、競合拮抗が起こり、血中濃度の上昇が認められることがある。

2 尿細管再吸収過程における相互作用

1)炭酸リチウムとループ利尿薬、チアジド系利尿薬との相互作用

 ループ利尿薬(フロセミドなど)、チアジド系利尿薬(ヒドロクロロチアジドなど)を投与すると、血液中のNaが低下する。その状態に炭酸リチウムを投与すると、Liの再吸収が促進され、Liの濃度が上昇することがある。そのため、炭酸リチウムとループ利尿薬、チアジド利尿薬は併用注意の組合せとされている。なお、Liは低ナトリウム血症の状態で再吸収されやすいため、食塩制限患者に対して投与禁忌とされている。

参考:リチウム中毒に対する処置
リチウム中毒が認められた場合には、利尿剤(マンニトール、アミノフィリンなど)を投与し、リチウムの排泄を促進する。それで効果がない場合には、血液透析を施行する。

2)尿のpH変動による相互作用

 併用薬により尿のpHが変動すると、弱酸性薬物、弱塩基性薬物の分子形分率が変化し、遠位尿細管における薬物の再吸収率が変動する。
例)サリチル酸に炭酸水素ナトリウム、アセタゾラミドを併用した場合
炭酸水素ナトリウムおよびアセタゾラミドは尿をアルカリ性にするため、炭酸水素ナトリウム、アセタゾラミドとサリチル酸を併用すると、サリチル酸の分子形分率が低下し、サリチル酸の再吸収率が低下する。

例)サリチル酸と塩化アンモニウムを併用した場合
塩化アンモニウムは尿を酸性にするため、塩化アンモニウムとサリチル酸を併用すると、サリチル酸の分子形分率が増加し、サリチル酸の再吸収が増加する。

3 胆汁中排泄における相互作用

胆汁中排泄は担体介在輸送により起こるため、同じ担体により輸送される薬物間で相互作用が認められることがある。例えば、ロスバスタチンとシクロスポリンを併用した場合、ロスバスタチンの血中濃度が上昇し、副作用である横紋筋融解症が現れやすくなることがある。そのため、両薬剤は併用禁忌とされている。この相互作用は、ロスバスタチン及びシクロスポリンは共にOATP1B1により肝臓に取り込まれ、BCRPにより胆汁中に排泄されるために起こるとされている。

関連問題
第98回問200、第99回問270〜271、第102回問169、第103回問170、第103回問276〜277、第105回問175

-薬剤師国家試験出題項目

Copyright© yakugaku lab , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.