薬剤師国家試験出題項目

抗真菌薬

1 真菌症

 真菌とは、ヒトと同様の真核生物に属する微生物のことであり、アスペルギルス属、カンジダ属、クリプトコッカス、皮膚糸状菌などに分類される。真菌は、それぞれ固有の病原因子を有しており、ヒトへと感染し、真菌症を誘発する。真菌症は、内臓や中枢神経系などにカンジダが寄生する深在性真菌症と皮膚などに皮膚糸状菌が寄生する表在性真菌症に分類される。

2 抗真菌薬の作用点

 真菌はヒトと同様に真核生物に該当するため、真菌はヒトの細胞に類似している。そのため、抗真菌薬は真菌とヒトの細胞と異なる点に作用することでヒトに対する毒性を軽減している。

真菌とヒト細胞の違い

抗真菌薬には、核酸合成阻害薬、細胞膜合成阻害薬、細胞膜機能障害薬、細胞壁合成阻害薬がある。

3 抗真菌薬

1)細胞膜合成阻害薬

●イミダゾール系
① ミコナゾール ② クロトリマゾール

・ラノステロールC–14脱メチル酵素(P450)を阻害することで抗真菌作用を示す。◇適応症◇
ミコナゾール
口腔カンジダ症、食道カンジダ症、カンジダ症、白癬、真菌血症、肺真菌症、消化管真菌症 など
クロトリマゾール
白癬、カンジダ症、HIV感染症の口腔カンジダ など

●トリアゾール系
① イトラコナゾール ② フルコナゾール ③ ボリコナゾール

・ラノステロールC–14脱メチル酵素(P450)を阻害することで抗真菌作用を示す。
◇適応症◇
イトラコナゾール
内臓真菌症、深在性皮膚真菌症、表在性皮膚真菌症、爪白癬、食道カンジダ、発熱性好中球減少症 など
フルコナゾール
真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎 など
ボリコナゾール
重症又は難治性感染症、造血幹細胞移植における深在性真菌症の予防 など

●アリルアミン系
① テルビナフィン ② ブテナフィン

・スクワレンエポキシダーゼを阻害することで抗真菌作用を示す。

◇適応症◇
テルビナフィン
白癬性肉芽腫、爪白癬、手・足白癬、頭部白癬 など
ブテナフィン
足部白癬、股部白癬 など

2)細胞膜機能阻害薬

① アムホテリシンB

・真菌の細胞膜の成分であるエルゴステロールに結合し、細胞膜機能障害を誘発する。
・エルゴステロールに結合したアムホテリシンBが小孔を形成し、細胞内成分(電解質、アミノ酸など)を漏出させることで真菌を死滅させる。

◇適応症◇
深在性真菌感染症、消化管におけるカンジダ異常増殖
真菌血症、呼吸器真菌症、播種性真菌症、真菌感染症が疑われる発熱性好中球減少症 など

◇副作用◇
腎障害、肝障害、低K血症、横紋筋融解症、消化器症状、心不全、不整脈 など

 3)細胞壁合成阻害薬

① ミカファンギン ② カスポファンギン

・真菌の細胞壁合成に関わるβ–D–グルカン合成酵素を阻害し、細胞壁合成を停止させ、真菌を死滅させる。
・アスペルギルス属、カンジダ属にのみ有効で安全性が高い。

◇適応症◇
ミカファンギン
アスペルギルス属、カンジダ属による真菌血症、呼吸器真菌症、消化器感染症 など
カスポファンギン
真菌感染症が疑われる発熱性好中球減少症
食道カンジダ症、侵襲性カンジダ症、アスペルギルス症

◇副作用◇
肝障害、腎障害、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群 など

 4)核酸合成阻害薬

① フルシトシン
・真菌の細胞膜にのみ発現するシトシン透過酵素(シトシンパーミアーゼ)を介して真菌細胞内に取り込まれ、脱アミノ化されてフルオロウラシル(5–Fu)となり、核酸合成を阻害する。

◇適応症◇
真菌血症、真菌性髄膜炎、真菌性呼吸器感染症、消化管真菌症
◇副作用◇
汎血球減少症減少症、無顆粒球症、腎不全

◇関連問題◇
第97回問262〜263、第98回問40、第100回問40、第104回問162

抗真菌薬 テキストPDF

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