覚えること
- 抗アレルギー薬は、まず「どのケミカルメディエーター・サイトカインを抑えるか」で整理する。
- ケミカルメディエーター遊離抑制薬は、肥満細胞などからヒスタミン・ロイコトリエンなどが放出されるのを抑える。
- H1受容体遮断薬は、ヒスタミンの作用を抑える。
- オザグレルはTXA2合成酵素を阻害する。
- セラトロダスト・ラマトロバンはTXA2受容体を遮断する。
- プランルカスト・モンテルカストはロイコトリエン受容体を遮断する。
- スプラタストはTh2細胞からのIL-4、IL-5産生を抑制する。
- オマリズマブはIgEに結合する。
- デュピルマブはIL-4受容体αサブユニットに結合し、IL-4・IL-13シグナルを阻害する。
アレルギーとは
アレルギーとは、本来は異物から身体を守る免疫反応が過剰に働くことで、生体に不利益をもたらす状態である。
アレルギー反応では、肥満細胞や好塩基球などからヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサンなどのケミカルメディエーターが放出され、血管透過性亢進、気管支収縮、鼻汁、くしゃみなどの症状につながる。
しもっちヒスタミンを止める
ロイコトリエンを止める
TXA2を止める
IL-4・IL-5を止める
まず作用する場所を決めると、かなり覚えやすくなるよ。
ヒスタミン関連薬
ケミカルメディエーター遊離抑制薬
代表薬には、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、ペミロラスト、アンレキサノクスなどがある。
肥満細胞の膜を安定化するなどして、ヒスタミンやロイコトリエンなどのケミカルメディエーター遊離を抑制する。
その結果、アレルギー反応を抑制する。
気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などに用いられる。



クロモグリク酸など→ そもそもヒスタミンなどを出させない
H1遮断薬との違いを意識しよう。
ヒスタミンH1受容体遮断薬
ヒスタミンH1受容体遮断薬は、H1受容体を遮断することでヒスタミンによる血管透過性亢進、かゆみ、鼻症状などを抑制する。
⚫️第一世代H1受容体遮断薬
代表薬には、ジフェンヒドラミン、クレマスチン、クロルフェニラミン、プロメタジン、シプロヘプタジン、ヒドロキシジンなどがある。
第一世代は中枢移行性が高いため、眠気などの中枢抑制作用が現れやすい。
また、抗コリン作用を有するため、口渇・便秘などが現れる。
さらに、閉塞隅角緑内障や下部尿路閉塞疾患では注意が必要である。
医薬品ごとの特徴
- プロメタジン:中枢性抗コリン作用が強く、パーキンソニズムに用いられることがある。
- シプロヘプタジン:抗セロトニン作用を有する。
- ヒドロキシジン:抗不安作用を示す。



だから、眠気・口渇・便秘が出やすいと考えられるよ。
⚫️抗アレルギー性H1受容体遮断薬
代表薬には、アゼラスチン、ケトチフェン、オキサトミドなどがある。
H1受容体遮断作用に加えて、ケミカルメディエーター遊離抑制作用などを有する。
気管支喘息やアレルギー性鼻炎などに用いられる。
第一世代と同様に眠気を起こすことがあるが、抗コリン作用は比較的弱い。
医薬品ごとの特徴
- アゼラスチン:ロイコトリエン産生抑制作用、抗ロイコトリエン作用を有する。
- オキサトミド:ロイコトリエン産生抑制作用、抗ロイコトリエン作用、PAF抑制作用を有する。
⚫️非鎮静性H1受容体遮断薬
代表薬には、メキタジン、エピナスチン、フェキソフェナジン、セチリジン、レボセチリジン、エバスチン、オロパタジン、ベポタスチン、ロラタジン、ビラスチンなどがある。
H1受容体遮断作用に加えて、ケミカルメディエーター遊離抑制作用などにより抗アレルギー作用を示す。
第一世代よりも中枢抑制作用・抗コリン作用が弱いため、眠気、口渇、便秘などを起こしにくい。



第一世代 → BBBを通りやすい → 眠気↑
非鎮静性 → 中枢移行しにくい → 眠気↓
作用点は同じでも、副作用が違うところが国試で狙われます。
トロンボキサン関連薬
⚫️トロンボキサンA2合成酵素阻害薬
オザグレルは、TXA2合成酵素を阻害し、TXA2の産生を抑制する。
その結果、気管支収縮を抑制する。
気管支喘息などに用いられる。
⚫️トロンボキサンA2受容体遮断薬
代表薬には、セラトロダスト、ラマトロバンがある。
TXA2受容体(プロスタノイドTP受容体)を競合的に遮断する。
ラマトロバンは、プロスタグランジンD2受容体にも作用し、炎症細胞の遊走・脱顆粒を抑制する。



オザグレル → TXA2を「作らせない」
セラトロダスト・ラマトロバン → TXA2を「作用させない」
合成酵素阻害か、受容体遮断かを必ず区別しよう。
ロイコトリエン関連薬
⚫️ロイコトリエン遊離抑制薬
イブジラストは、ロイコトリエン遊離抑制作用とロイコトリエン受容体拮抗作用を有する。気管支喘息、アレルギー性結膜炎などに用いられる。
⚫️ロイコトリエン受容体遮断薬
代表薬には、プランルカスト、モンテルカストがある。
ロイコトリエンの受容体への結合を阻害し、気管支収縮や鼻腔通気抵抗の上昇を抑制する。
気管支喘息、アレルギー性鼻炎などに用いられる。
プランルカストは、CysLT1受容体を遮断する薬として国試でも重要である。



だから、プランルカスト・モンテルカスト → LT受容体遮断 → 気管支収縮↓
喘息・アレルギー性鼻炎につながるのも理解しやすいね。
Th2サイトカイン阻害薬
スプラタストは、Th2細胞からのIL-4、IL-5産生を抑制する。
IL-4産生を抑制することで、B細胞によるIgE抗体産生を抑制する。
また、IL-5産生を抑制することで、好酸球浸潤を抑制する。
さらに、肥満細胞からのケミカルメディエーター遊離抑制作用も有する。
気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などに用いられる。
Th2細胞に作用
→IL-4産生↓→ IgE産生↓
→IL-5産生↓→ 好酸球浸潤↓



IL-4 → IgE
IL-5 → 好酸球
ここまで分かると、サイトカインの選択肢をかなり切れるよ。
抗体製剤
オマリズマブは、ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体である。
IgEに結合し、IgEと高親和性IgE受容体FcεRIとの結合を阻害する。
その結果、肥満細胞や好塩基球の脱顆粒を抑制し、ヒスタミンなどの炎症性メディエーター遊離を抑制する。
気管支喘息、季節性アレルギー性鼻炎、特発性慢性蕁麻疹などに用いられる。



IgEそのものに結合
→IgEがFcεRIに結合できない
→肥満細胞の脱顆粒↓
ここを間違えないようにしよう。
デュピルマブは、ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体である。
IL-4受容体複合体とIL-13受容体複合体に共通するIL-4受容体αサブユニットに結合する。
その結果、IL-4及びIL-13のシグナル伝達を阻害する。
アトピー性皮膚炎、気管支喘息、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎などに用いられる。



オマリズマブ → IgE
デュピルマブ → IL-4受容体α
抗体製剤は「何に結合する?」が最重要だよ。
作用点でまとめよう
- クロモグリク酸など → ケミカルメディエーターを出させない
- H1遮断薬 → ヒスタミンを作用させない
- オザグレル → TXA2を作らせない
- セラトロダスト・ラマトロバン → TXA2を作用させない
- プランルカスト・モンテルカスト → ロイコトリエンを作用させない
- スプラタスト → IL-4・IL-5を作らせない
- オマリズマブ → IgEを働かせない
- デュピルマブ → IL-4・IL-13シグナルを止める
国家試験での狙い目
- クロモグリク酸 → ケミカルメディエーター遊離抑制
- 第一世代H1遮断薬 → 中枢移行性↑ → 眠気
- 第一世代H1遮断薬 → 抗コリン作用 → 口渇・便秘
- オザグレル → TXA2合成酵素阻害
- セラトロダスト → TP受容体遮断
- プランルカスト・モンテルカスト → ロイコトリエン受容体遮断
- スプラタスト → IL-4・IL-5産生抑制
IL-4↓ → IgE産生↓
IL-5↓ → 好酸球浸潤↓ - オマリズマブ → IgEに結合
- デュピルマブ → IL-4受容体αサブユニットに結合



「薬の名前 → 作用機序」だけで覚えないようにしよう。
まず、ヒスタミン?TXA2?ロイコトリエン?サイトカイン?IgE?
と作用する系統を決める。
そのあとに、作らせない?出させない?受容体を遮断する?を考えれば、かなり整理しやすいよ。
1問1答で確認しよう
Q1.クロモグリク酸の主な作用は?
→ 肥満細胞などからのケミカルメディエーター遊離抑制。
Q2.第一世代H1受容体遮断薬で眠気が起こりやすい理由は?
→ 中枢移行性が高いため。
Q3.オザグレルが阻害する酵素は?
→ TXA2合成酵素。
Q4.セラトロダストが遮断する受容体は?
→ TXA2受容体(プロスタノイドTP受容体)。
Q5.プランルカストが遮断する受容体は?
→ ロイコトリエン受容体。
Q6.スプラタストが産生を抑制するサイトカインは?
→ IL-4、IL-5。
Q7.IL-4産生抑制によって何の産生が低下する?
→ IgE抗体。
Q8.IL-5産生抑制によって何が抑制される?
→ 好酸球浸潤。
Q9.オマリズマブが結合する標的は?
→ IgE。
Q10.デュピルマブが結合する標的は?
→ IL-4受容体αサブユニット。



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