尿酸(Uric acid)は、ヒトや一部の動物におけるプリン体(プリン塩基)代謝の最終産物であり、体内で代謝された老廃物の一種である。尿酸は体液中に溶解し、主に尿として排泄されますが、過剰に生成されると健康問題を引き起こす可能性がある。
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1. 尿酸の生成
- プリン体(DNAやRNAに含まれる塩基の一部)の分解により生成される。
- 食事から摂取したプリン体や細胞代謝による分解産物が肝臓で処理され、尿酸が生成される。
- 具体的には、ヒポキサンチンがキサンチンオキシダーゼによって酸化され、最終的に尿酸となる。
2. 尿酸の排泄
- 腎臓(約70%): 尿として排泄される。
- 腸管(約30%): 腸内細菌によって分解される。
- 尿酸の排泄量と生成量のバランスが取れている場合、血液中の尿酸濃度は正常範囲内(約 3.0~7.0 mg/dL)に保たれる。
3. 尿酸と健康問題
3.1 高尿酸血症
- 血液中の尿酸濃度が 7.0 mg/dL を超える状態を指します。
- 原因:
- 過剰なプリン体の摂取(例: 肉、魚、アルコールなど)。
- 尿酸の排泄障害(腎機能低下、薬剤の影響など)。
- 尿酸の過剰生成(遺伝的要因、代謝異常など)。
- 影響:
- 痛風: 血中の尿酸が結晶化し、関節に沈着して激しい痛みを引き起こす(痛風発作)。
- 腎臓結石: 尿酸が尿中で結晶化し、結石を形成。
- 心血管疾患のリスク: 高尿酸血症は動脈硬化や高血圧とも関連があるとされている。
4. 尿酸値を管理するためのポイント
- 食事の工夫:
- プリン体を多く含む食品(内臓、干物、ビールなど)の摂取を制限。
- 水分を十分に摂取し、尿量を増やして尿酸の排泄を促す。
- 生活習慣の改善:
- 適度な運動を行い、肥満を防ぐ。
- アルコールの摂取を控える(特にビールや発泡酒は尿酸値を上昇させやすい)。
- 薬物療法:
- 尿酸の生成を抑える薬(例: アロプリノール、フェブキソスタット)。
- 尿酸の排泄を促す薬(例: ベンズブロマロン、ドチヌラド)。
- 痛風発作時には抗炎症薬を使用することもある。
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