薬剤師国家試験出題項目

尿検査・糞便検査

尿検査

1)尿と尿量

尿は腎臓で血液が濾過されることにより生成される。健常人の1日当たりの尿量は800〜1500mLである。尿量が少ない場合に乏尿(尿量:400mL/日以下)、無尿(尿量:100mL /日以下)があり、尿量が多い場合に多尿(尿量:2500mL日以上)がある。

乏尿・無尿、多尿の原因

2)尿のpH

 通常、尿のpHは5.0〜8.0であり、食事の内容によって変動することがある。薬剤の投与や疾患により尿のpHが酸性に傾く酸性尿と尿のpHがアルカリ性に傾くアルカリ尿がある。

酸性尿・アルカリ性尿の原因

3)尿比重

 尿比重は、通常1.002〜1.030であり、尿に溶けている成分(ナトリウム、尿素、糖、タンパク質など)の割合により変動する。

尿比重の変動と原因

4)タンパク尿

 タンパク尿とは、1日の尿中排泄タンパク質量が150mgを超えたもののことである。病的なタンパク尿は原因によって、腎前性タンパク尿、腎性タンパク尿(糸球体性タンパク尿、尿細管性タンパク尿)、腎後性タンパク尿に分類される。
タンパク尿の分類

5)尿糖

 健常人では、通常1日当たりの尿中への糖の排泄量は40〜90mgである。高血糖状態では、糸球体で多くの糖が濾過される結果、再吸収過程に飽和が生じ、結果として尿中に糖が排泄される。尿糖の原因には、糖尿病以外に医薬品や重金属による腎障害、妊娠、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症などがある。

6)血尿

 血尿は腎障害あるいは尿路からの出血により誘発され、肉眼的血尿と顕微鏡的血尿に大別される。

血尿の分類

7)尿ケトン体

 ケトン体とは、アセトン、アセト酢酸、β–ヒドロキシ酪酸の総称である。アセトンは呼気中に排泄されるため、尿中に検出されるケトン体は、アセト酢酸とβ–ヒドロキシ酪酸となる。糖尿病や飢餓状態で糖が不足すると、ケトン体の生成が亢進し、尿ケトン体(アセト酢酸、β–ヒドロキシ酪酸)が検出される。

 8)尿ビリルビン、尿ウロビリノーゲン

(1)尿ビリルビン
 ビリルビンは、赤血球中のヘモグロビンが肝臓や脾臓で破壊された際にできる胆汁色素であり、通常、胆汁中に排泄されるため、尿中には検出されない。肝障害や胆道に閉塞などにより胆汁の流れが妨げられると、ビリルビンが血中に増え、尿中に排泄される。
●尿ビリルビンが検出される原因
 閉塞性黄疸、肝炎、肝硬変、胆道閉塞、アルコール性肝炎など

(2)尿ウロビリノーゲン
 ウロビリノーゲンとは、ビリルビンが腸に排泄され、腸内細菌によって分解されたものであり、そのほとんどは糞便中に排泄されるが、一部は腸管に吸収され、再び肝臓へともどり血中から尿中に排泄される。肝疾患では、ウロビリノーゲンがうまく処理できなくなり、尿中に排泄されるウロビリノーゲンの量が増加する。
●尿ウロビリノーゲンが検出される原因
 溶血性貧血、肝障害

2 糞便検査 

便に血液が潜んでいるかを調べる方法として、便潜血検査がある。便潜血検査で陽性を示す原因として、上部消化管出血(食道静脈瘤、食道がん、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなど)、下部消化管出血(大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、寄生虫など)がある。便潜血検査を行う際、痔による出血や月経血により便潜血陽性を示すことがあるので注意する必要がある。

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