薬剤師国家試験出題項目

副腎皮質ホルモン関連薬

1 副腎

 副腎は左右の腎臓の上部にある小さくて薄い臓器であり、ホルモンを生成分泌している。副腎は皮質(球状層、束状層、網状層)と髄質からなり、副腎皮質からはステロイドホルモン(鉱質コルチコリド、糖質コルチコイド、アンドロゲン)が分泌され、副腎髄質からはカテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)が分泌される。

2 ステロイドホルモンの生合成

 ステロイドホルモンは、コレステロールを原料としてプレグネノロンを経て生合成される。

3 糖質コルチコイド

・ヒドロコルチゾン(コルチゾール)

●分泌調節
・視床下部からCRHが放出され、下垂体が刺激されると、下垂体前葉からACTH放出される。それにより副腎皮質束状層の受容体が刺激され、アデニル酸シクラーゼが活性化しcAMPが上昇することでコルチゾールの生成・分泌が促進される。
・血中コルチゾールが増加すると、ネガティブ・フィードバックにより視床下部−下垂体が抑制されCRH、ACTHの分泌が減少する。

●作用機序
・細胞膜を通過し、細胞質にある受容体に結合することで受容体の構造が変化する(受容体がDNAに結合することができる構造となる)。その後、核内に移行し、DNAに結合することでmRNAの転写を促進または抑制する。

●作用
・筋肉における糖の取り込みを抑制するとともに糖新生を促進することで血糖上昇作用を示す。
・組織のタンパク質が分解することでアミノ酸が生成する(タンパク異化作用)。
・脂肪組織において、トリアシルグリセロールの分解が促進する(脂肪分解促進作用)。
・炎症性サイトカインの産生を抑制する。
・抗アレルギー作用、免疫抑制作用を示す。
・PGE2産生抑制による胃酸分泌促進作用を示す。
・弱い鉱質コルチコイド作用によりNa貯留作用、K排泄促進作用を示す。

●副作用
・満月様顔貌(ムーンフェイス)、浮腫、高血糖、低カリウム血症、副腎皮質萎縮、感染症誘発、消化性潰瘍、骨粗しょう症、高血圧、糖尿病、白内障、緑内障 など

4 糖質コルチコイド関連薬

① ヒドロコルチゾン ② プレドニゾロン ③ メチルプレドニゾロン
④ トリアムシノロン ⑤ デキサメタゾン ⑥ ベタメタゾン

・天然の糖質コルチコイド(ヒドロコルチゾン)は、鉱質コルチコイド作用を示すことから、抗アレルギー作用、免疫抑制作用を期待してヒドロコルチゾンを用いた場合、望ましくない反応(浮腫、高血圧)が現れる。糖質コルチコイド関連薬は、一般に糖質コルチコイド作用を強くし、鉱質コルチコイド作用を除去あるいは弱くしたものである。

5 抗副腎皮質ホルモン薬

① メチラポン
・11β−水酸化酵素を阻害し、ヒドロコルチゾン(コルチゾール)、アルドステロン産生を抑制する。
・糖質コルチコイドの産生を抑制し、負のフィードバックの誘発を抑制するため、下垂体からのACTHの分泌促進作用を有する。

◇適応症◇
下垂体ACTH分泌予備能の測定
・クッシング症候群(コルチゾールが過剰分泌している状態)

② トリロスタン
・3β−ヒドロキシステロイド脱水素酵素を競合的に阻害し、アルドステロン及びヒドロコルチゾンの生合成を抑制する。

◇適応症◇
・特発性アルドステロン症
・手術適応とならない原発性アルドステロン症およびクッシング症候群 

副腎皮質ホルモンテキスト PDF

◇関連問題◇
第98回問163、第99回問35、第99回問160、第100回問160

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