薬剤師国家試験出題項目

体性神経系・筋の疾患

Section 体性神経系・筋の疾患

1 進行性筋ジストロフィー

 筋ジストロフィーとは、骨格筋の壊死・再生を主病変とする遺伝性筋疾患の総称であり、X連鎖劣性遺伝子(Duchenne型など)、常染色体性劣性、常染色体性優性遺伝などに分類される。

【症状】
典型的な筋ジストロフィー:進行性の近位筋の筋力低下、筋萎縮
遠位型筋ジストロフィー:進行性の遠位筋肉の筋力低下、筋硬直

【検査】
クレアチニンキナーゼの上昇、ミオグロビン尿、心電図による心機能検査異常、筋電図検査、筋生検、遺伝子検索 など

【治療】
 根本的な治療法はなく、筋力低下や関節拘縮防止目的でリハビリテーションを行う。また、進行を抑制するために副腎皮質ステロイド性薬が用いられることがある。 

2 ギラン・バレー症候群

 ギラン・バレー症候群(急性特発性多発神経炎)とは、先行する軽度の呼吸器ないし消化器感染症あるいはワクチン接種に引き続き起こる末梢神経障害であり、下位脳神経、脊髄神経根に生じる多発根神経炎である。

【病態】
末梢神経細胞膜表面に存在する糖脂質の糖鎖に反応する抗体により引き起こされると考えられている。先行感染因子が糖脂質に類似した抗原構造を有し、それに対する抗体が神経系の糖脂質に交差反応する機序が想定されている。

【症状】
初期に感冒様症状、下痢、腹痛があり、その後、異常知覚、顔面神経麻痺、嚥下障害、四肢の脱力、自律神経症状(不整脈、発汗異常など)が生じる。ほとんどの場合、3ヶ月〜1年ほどで症状が緩和する。

【治療】
 急性期では、軽症例を除いて、自己免疫機序のコントロールのために免疫グロブリン大量療法を行う。呼吸麻痺がある場合には、人工呼吸器を用いる場合がある。関節・筋拘縮予防のために早期からリハビリテーションを行う。

3 重症筋無力症

 重症筋無力症とは、神経筋接合部・シナプス後膜上にあるアセチルコリン受容体に対する自己抗体である抗アセチルコリン受容体抗体により神経筋接合部の刺激伝達系が障害される自己免疫疾患である。

【症状】
筋の反復運動、持続的な収縮により外眼筋、顔面筋、四肢及び体幹筋の筋力低下が生じる。筋力低下後、休息、局所筋の冷却により一時的に症状が緩和する。初期症状として、外眼筋麻痺による眼瞼下垂、眼球運動障害による複視、顔面筋力低下、嚥下障害、構音障害が認められる。

【検査】

【治療】
 抗コリンエステラーゼ薬(ピリドスチグミン、アンベノニウム、ジスチグミンなど)、副腎皮質ステロイド性薬、免疫抑制薬を使用する。また、胸腺摘出術、血液浄化法が行われる。

◇関連問題◇
第98回問187、第103回問65、第105回問62

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