薬剤師国家試験出題項目

低血圧治療薬、末梢血管拡張薬

1 低血圧治療薬

低血圧とは、一般に収縮期血圧が100mmHg未満の状態のことである。低血圧の治療では、生活上の管理を行い、それでも生活の質(QOL)が損なわれる場合には、薬物療法を併用する。
低血圧の薬物療法では、血圧を上昇させるために、交感神経刺激薬などの昇圧薬が用いられる。

1)交感神経刺激薬

2 末梢血管拡張薬

 末梢血管拡張薬は、末梢血管を拡張することで器質的・機能的末梢循環障害を解消する目的で使用されるものや肺高血圧症を治療する目的で使用されるものがある。
末梢血管拡張薬には、プロスタグランジン系薬、ニコチン酸系薬、循環器系作用酵素製剤、エンドセリン受容体拮抗薬、ホスホジエステラーゼ5阻害薬がある。

1)プロスタグランジン系薬

(1)プロスタグランジンE(PGE)誘導体
① アルプロスタジル アルファデクス ② アルプロスタジル
③ リマプロスト アルファデクス

・プロスタノイドEP(PGE1)受容体を刺激し、血管平滑筋及び血小板のアデニル酸シクラーゼを活性化することによりcAMPを上昇させ、血管拡張作用、血小板凝集作用を示す。
・アルプロスタジル アルファデクス、アルプロスタジルは、慢性動脈閉塞症における四肢潰瘍・安静時疼痛の改善に用いられる。
・リマプロスト アルファデクスは、後天性の腰部脊柱管狭窄症に伴う自覚症状及び歩行能力の改善に用いられる。

(2)プロスタグランジンI(PGI)誘導体
① ベラプロストナトリウム ② エポプロステノール

・プロスタノイドIP(PGI2)受容体を刺激し、血管平滑筋及び血小板のアデニル酸シクラーゼを活性化することによりcAMPを上昇させ、血管拡張作用、血小板凝集作用を示す。
・ベラプロストナトリウムは、慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善、肺高血圧症に用いられる。
・エポプロステノールは、肺高血圧症に用いられる。

2)ニコチン酸系薬

① ニコモール ② ニセリトロール

・血小板のトロンボキサンA2生合成を抑制し、血管内皮細胞のプロスタグランジンI2生合成を促進することにより血小板凝集を抑制する。
・血管内皮細胞のプロスタグランジンI2生合成を促進し、血管を弛緩させることにより末梢血行改善作用を示す。
・凍瘡、四肢動脈閉塞症、レイノー症候群に伴う末梢血行障害の改善、高脂血症の治療に用いられる。
・副作用として、血管拡張による顔面潮紅・頭痛を起こすことがある。

3)循環系作用酵素製剤

① カリジノゲナーゼ
・キニノーゲンを酵素的に分解し、キニン(ブラジキニン等)遊離による血管平滑筋の拡張作用とともに、プロスタグランジン産生を介した血管拡張作用及び血小板凝集抑制作用を示す。
・閉塞性血栓性血管炎、高血圧症における末梢循環障害や網脈絡膜の循環障害の改善に用いられる。

4)エンドセリン受容体拮抗薬

① ボセンタン ② アンブリセンタン

・ボセンタンは、非選択的にエンドセリンETA、ETB受容体を遮断し、エンドセリン–1(ET−1)の血管収縮作用を阻害する。また、アンブリセンタンは、選択的にエンドセリンETA受容体を遮断し、ET−1の血管収縮作用を阻害する。
・肺高血圧症において、血漿と肺組織ではエンドセリン–1(ET−1)の濃度が上昇しており、ET−1が肺高血圧症の病因的な役割を果たしている。このころから、ボセンタン及びアンブリセンタンは、肺動脈性肺高血圧症の治療に用いられる。

5)ホスホジエステラーゼ5阻害薬

① シルデナフィル ② タダラフィル

・ホスホジエステラーゼ5を選択的に阻害し、cGMPを増加させることにより血管拡張作用を示す。
・肺動脈性肺高血圧症、勃起不全の治療に用いられる。
・硝酸薬との併用により過度の血圧低下を起こすため、両剤は併用禁忌とされている。

◇関連問題◇
第97回問158、第99回問157、第102回問28、第103回問34、第103回問258〜259

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