薬剤師国家試験出題項目

人口統計に関する指標

Section 人口統計に関する指標

1 人口構成を表す指標

集団人口の年齢構造を知るために、人口静態統計で得られたデータをもとに人口を0〜14歳(年少人口)、15〜64歳(生産年齢人口)、65歳以上(老年人口)の三群に分けた年齢3区分別人口割合が用いられる。2014年における年少人口割合、生産人口割合、老年人口割合は、それぞれ12.8%、61.3%、26.0%である。年少人口と老年人口の和を従属人口という。
また、それぞれの年齢区分別人口の生産年齢人口に対する割合を年少人口指数、老年人口指数、従属人口指数といい、年少人口に対する老年人口の割合を老年化指数という。

2 出生に関する人口動態指標

出生に関する人口動態指標として、出生率、再生産率(合計特殊出生率、総再生産率、純再生産率)が用いられる。

1)出生率

人口に対する出生数(出産数から死産数を差し引いたもの)を出生率といい、通常人口1000人当たりに対して表す。出生率は妊娠可能な年齢の女子の人口を考慮していないため、人口の将来予測に用いるのは適切ではない。

 

 2)再生産率

3 死亡に関する人口動態指標

死亡に関する人口動態指標として、死亡率(粗死亡率)、年齢調整別死亡率、50歳以上死亡率(PMI)用いられる。

1)死亡率

人口に対する1年間の死亡者数を死亡率(粗死亡率)といい、通常人口1000人当たりに対して表す。人口には年央人口が用いられるが、我が国では10月1日の人口を用いる。 

 

一般に平均寿命が長ければ、死亡率は低くなるが、我が国では、高齢化により1983年頃から穏やかな上昇傾向にある。死亡状況は、年齢による影響を大きく受けるため、年齢構成の異なる集団の死亡状況を比較する際に死亡率を用いるのは適切ではない。年齢構成の異なる集団の死亡状況を比較するには、基準人口を用いて求めた年齢調整死亡率を用いる。

2)年齢調整死亡率

年齢構成による死亡に対する影響をなくすために一定の年齢構成の人口を基準人口(昭和60年モデル人口)として想定し、これに一致するように年齢構成を補正し算出した死亡率である。 

  年齢調整死亡率で用いるモデル人口に比べて老年人口の多い地域では、一般に粗死亡率は年齢調整死亡率より大きくなる。

3)50歳以上死亡割合(PMI:proportional mortality indicator)

年齢調整死亡率を用いることにより、年齢構成の影響なく集団間の死亡状況を比較することは可能であるが、年齢調整死亡率を求めるには人口統計データが必要である。発展途上の地域では、人口統計データを十分に得ることができない場合がある。そのような場合に用いられるのが、年齢別死亡数だけで算出することができるPMIが用いられる。 

 

 PMIが高いほど50歳になるまで死ぬ割合が少ないことになるため、健康水準が高い国ほどPMIの値は大きくなる。

 4 母子保健に関する人口動態指標

出生前後の母子の死亡率は集団の衛生状況を反映し、健康水準を示す重要な指標となる。

 

5 平均余命と平均寿命

平均余命とは、ある年齢の生存者が平均してあと何年生きられるかを表した期待値であり、平均寿命とは、生命表によって求めた0歳児の平均余命のことである。平均寿命は全年齢の死亡状況を集約したもので、保健福祉水準の総合的指標として広く活用されている。平均余命の算出には生命表が用いられ、我が国における生命表には、国勢調査年次に作成される完全生命表とそれ以外の年次に毎年作成される簡易生命表の2種類がある。

 【平均余命の算出】
ある時点で同時に出生した10万人の集団を想定し、この集団が観察集団の死亡率に従って年々死亡していくと仮定すると、下記の生存数曲線が得られる。

生存曲線において、x歳での生存数をlx、x歳以上の定常人口総数をTxとすると、Txはx歳に到達した人々におけるその後の生存年数の合計(生存延長年数)となるため、x歳における平均寿命はTx÷lxで算出することができる。

◇関連問題◇
第87回問62、第97回問125、第99回問18、第100回問18、第102回問122、第103回問125、第104回問20、第104回問122、第105回問128、第105回問129

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