中間径フィラメント

中間系フィラメントは、細胞の細胞骨格を構成する主要な成分の一つであり、細胞の形状の保持や機械的な強度を提供する役割を果たす。微小管やアクチンフィラメントと並ぶ細胞骨格の構成要素であるが、これらとは異なる特徴を有する。

中間系フィラメントの機能

1. 細胞の機械的強度の提供: 中間系フィラメントは、細胞に物理的な強度を与え、細胞が機械的なストレスに耐えるために重要である。これにより、細胞膜や核膜をサポートし、細胞の形を維持する役割を果たす。
2. 細胞の形状維持: 中間系フィラメントは、細胞の形状を維持するための支柱として働く。特に、物理的な圧力や引っ張りに対して安定性を提供し、細胞がその形状を保つことを助ける。
3. 細胞間接着: 中間系フィラメントは、細胞間接着に重要な役割を果たす。デスモソームなどの接着構造と結びつき、隣接する細胞との連携を強化する。これにより、組織全体の強度や一体感が向上する。
4. 細胞内の構造的サポート: 中間系フィラメントは、細胞内の重要な構造的サポートを提供する。
5. 神経細胞における役割: 神経細胞では、ニューロフィラメントと呼ばれる中間系フィラメントが神経細胞の軸索に存在し、軸索の構造的支持を提供するとともに、神経伝達に関連する役割を果たす。

中間系フィラメントの種類

中間系フィラメントは、異なる細胞タイプに応じて異なるタンパク質が組み合わさって構成されるため、多様な種類が存在する。主なものとしては、以下が挙げられる：

• ケラチン: 上皮細胞に存在し、皮膚や毛髪、爪などの構造に関与。
• ビメンチン: 細胞の支持に関与し、特に間葉系細胞に多く見られる。
• デスミン: 筋肉細胞（特に筋繊維）に存在し、筋肉の形態を保つ。
• ニューロフィラメント: 神経細胞に存在し、神経細胞の軸索や樹状突起の形態と支持を維持。