◉名称、化学構造
一般名:ジソピラミド
商品名:リスモダン
◉分類
不整脈治療剤
◉効能・効果
- 下記の状態で他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合
期外収縮、発作性上室性頻脈、心房細動
◉薬効薬理
心筋への直接作用により、活動電位のphase0立ち上がり速度を減少させる。また、プルキンエ線維において、phase4の脱分極を抑制する。
◉使用する際の注意
- 本剤の投与に際しては、頻回に患者の状態を観察し、心電図、脈拍、血圧、心胸比、臨床検査値(肝機能、腎機能、電解質、血液等)を定期的に調べる。PQ延長、QRS幅増大、QT延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には直ちに減量又は投与中止する。
- 本剤の投与にあたっては用法及び用量に注意するとともに次の事項に留意すること。
心房細動・粗動、発作性頻拍の除去を目的とする場合
投与を2、3日行い、効果が得られない場合は投与を中止する
期外収縮の除去を目的とする場合
期外収縮の除去が循環動態の改善に役立つと考えられる場合に投与を考慮する。 - 本剤には陰性変力作用及びキニジン様作用があるので、十分注意して投与する。
- 高齢者、糖尿病、肝障害、透析患者を含む腎障害、栄養状態不良の患者では重篤な低血糖があらわれやすいので注意する。特に透析患者を含む重篤な腎障害のある患者では、意識混濁、昏睡等の重篤な低血糖があらわれることがある。これらの患者に投与する場合は、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら慎重に投与する。また、低血糖の発現について患者に十分な説明を行う。
- 本剤には抗コリン作用があり、その作用に基づくと思われる排尿障害、口渇、複視等があらわれることがあるので、 このような場合には減量又は投与を中止する。
- 患者の感受性の個体差に留意して初め少量の投薬試験を行うことが望ましい。
- めまい、低血糖等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させる。
◉体内動態
本剤は主としてCYP3A4で代謝される。
◉相互作用
◉薬物動態学的相互作用の要因
- エリスロマイシン、クラリスロマイシンのCYP3A阻害作用により、本剤の血中濃度が増大する。
- リファンピシン、フェニトイン、セイヨウオトギリソウのCYP誘導作用により、本剤の血中濃度が減少する。
◉薬力学的相互作用の要因
- スパルフロキサシン、モキシフロキサシン塩酸塩、ラスクフロキサシン塩酸塩と併用すると、QT延長作用が増強する。
- バルデナフィル塩酸塩水和物と併用すると、QT延長を起こす。
- アミオダロン塩酸塩と併用すると、Torsades de pointesを起こす。
- β受容体遮断薬(アテノロール等)と併用すると、過度の心機能抑制作用が現れる。
- 糖尿病治療薬と併用すると、低血糖症状が現れる。
◉副作用
◉主な副作用
徐脈、口渇、腎機能障害(尿量減少、むくみなど)、排尿障害、視力障害、発疹など
◉重大な副作用[初期症状]
心停止、心室細動、心室頻拍、心室粗動、心房粗動、房室ブロック、洞停止、失神、心不全悪化
[めまい、失神、心停止]低血糖
[脱力感、倦怠感、高度の空腹感]無顆粒球症
[高熱、さむけ、のどの痛み]肝機能障害、黄疸
[全身倦怠感、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる]麻痺性イレウス
[腸管内容の通過障害]
コメント