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ランゲルハンス細胞(Langerhans cell)

ランゲルハンス細胞は、主に皮膚の表皮に存在する免疫細胞であり、異物や病原体を認識して免疫応答を誘導する役割を持つ。これらの細胞は樹状細胞の一種で、特に抗原提示細胞として機能し、皮膚免疫の重要な役割を担っている。

特徴

  1. 形態
    • 樹状突起を持つ星型の細胞で、これらの突起を介して広範囲の抗原を捕捉する。
  2. 局在
    • 主に皮膚の表皮の基底層および有棘層に分布。
    • 皮膚だけでなく、気道や消化管の粘膜にも存在する。
  3. 由来
    • 骨髄由来の造血幹細胞から分化し、皮膚の表皮へ移行して定着する。

機能

  1. 抗原の捕捉と提示
    • 外部から侵入した異物や病原体を取り込んで抗原として認識し、それを分解して断片化する。
    • 抗原断片を細胞表面のMHCクラスII分子に提示し、T細胞へ情報を伝える。
  2. 免疫応答の誘導
    • 抗原提示によりナイーブT細胞を活性化させ、適応免疫を開始する。
    • 特に皮膚における感染症やアレルギー反応において重要な役割を果たす。
  3. 病原体や異物の取り込み
    • 樹状突起を使って広範囲から病原体や異物を取り込み、局所免疫反応を引き起こす。

ランゲルハンス細胞の免疫応答の流れ

  1. 病原体の捕捉
    • 表皮で異物や病原体を検知し、取り込む(エンドサイトーシス)。
  2. 抗原提示
    • 捕捉した異物を消化し、その抗原断片をMHCクラスII分子に結合して細胞表面に提示する。
  3. 移動とT細胞の活性化
    • ランゲルハンス細胞はリンパ管を通じて局所リンパ節に移動し、抗原を提示してT細胞を活性化する。
  4. 免疫反応の展開
    • 活性化されたT細胞が増殖し、標的細胞を攻撃することで免疫応答が展開される。

関連疾患と役割

  1. アレルギー性皮膚炎
    • ランゲルハンス細胞はアレルゲン(抗原)を認識し、免疫反応を引き起こすことで、接触性皮膚炎などのアレルギー反応に関与する。
  2. 感染症
    • 皮膚感染症において、病原体を捕捉し、免疫応答を促進する。
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