ランゲルハンス島(Langerhans Islands)は、膵臓に存在する内分泌細胞の集合体で、血糖値やエネルギー代謝の調節に重要な役割を果たしている。ランゲルハンス島は、複数の細胞種で構成され、それぞれ異なるホルモンを分泌する。
1. 基本情報
- 構造: 球状または楕円形の構造を持ち、膵臓の外分泌組織に囲まれている。
- 役割: 血糖値を調節するホルモン(インスリンやグルカゴンなど)の分泌する。
2. 構成細胞とその役割
ランゲルハンス島には、α、β、δ細胞が存在し、それぞれの細胞は特定のホルモンを分泌することで、血糖値や代謝の調節を行う。
2.1 α細胞
- 分泌ホルモン: グルカゴン
- 役割: 血糖値が低下した際に、肝臓でのグリコーゲン分解や糖新生を促進し、血糖値を上昇させる。
2.2 β細胞
- 分泌ホルモン: インスリン
- 役割: 血糖値が上昇した際に、細胞へのグルコース取り込みを促進し、血糖値を低下させる。また、脂肪合成やタンパク質合成を促進する。
2.3 δ細胞
- 分泌ホルモン: ソマトスタチン
- 役割: インスリンやグルカゴンの分泌を抑制し、膵内のホルモンバランスを調整する。また、消化管ホルモンの分泌も抑制する。
3. ランゲルハンス島の機能
ランゲルハンス島は、血糖値やエネルギー代謝を調整する重要な内分泌器官である。以下にその主な機能を示す。
3.1 血糖値の調節
3.2 ホルモン分泌の調整
- δ細胞のソマトスタチンは、α細胞とβ細胞からのホルモン分泌を適切に調整する。
4. ランゲルハンス島の異常と疾患
4.1 糖尿病
- 1型糖尿病: 自己免疫によりβ細胞が破壊され、インスリン分泌が著しく低下する。
- 2型糖尿病: インスリン抵抗性が増加し、β細胞が過剰な負担により機能低下を起こす。
4.2 グルカゴノーマ
- α細胞から発生する腫瘍で、グルカゴンの過剰分泌により高血糖や体重減少を引き起こす。
4.3 インスリノーマ
- β細胞から発生する腫瘍で、インスリンの過剰分泌により低血糖症状を引き起こす。
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