メラミン(Melamine)は、化学式 C₃H₆N₆ を持つ有機化合物で、窒素を多く含む複素環式化合物である。トリアジン環と呼ばれる6員環に窒素原子が3つ含まれる構造を有している。
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1. メラミンの基本的な性質
- 化学式: C₃H₆N₆
- 構造: トリアジン環(炭素3つ、窒素3つからなる環構造)に3つのアミノ基(-NH₂)が結合した構造。
2. 主な用途
2.1 メラミン樹脂
- 用途: メラミンはホルムアルデヒドと反応してメラミンホルムアルデヒド樹脂(メラミン樹脂)を形成する。
- この樹脂は耐熱性、耐薬品性、強度が高く、以下の製品に広く利用されている。
- 食器: メラミン食器(軽量で割れにくい)。
- 建材: 耐久性の高いラミネート板。
- 塗料や接着剤: 高耐久性の仕上げ材や工業用接着剤。
- この樹脂は耐熱性、耐薬品性、強度が高く、以下の製品に広く利用されている。
3. メラミンと健康問題
3.1 メラミン混入事件
- 2008年、中国での粉ミルクやペットフードへのメラミン不正混入事件が大きな社会問題となった。
- メラミンはタンパク質の検査で窒素量を基準に測定する方法を利用し、実際にはタンパク質ではないにもかかわらず、食品のタンパク質含有量を偽装する目的で混入された。
- 健康被害: メラミンが腎臓に沈着し、腎結石や腎不全を引き起こすことが報告されている。
3.2 毒性
- 摂取: メラミン自体は少量であれば急性毒性は低いですが、高濃度の摂取や長期的な暴露は腎臓や膀胱に悪影響を及ぼす。
- 分解物のリスク: シアヌル酸(メラミンの分解生成物)との複合体が結晶化しやすく、これが腎結石の主因となる。
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