MENU
YAKUZERO オンライン授業コース クリック

メラニン細胞(Melanocyte)

メラニン細胞は、皮膚、毛髪、目(虹彩や網膜など)の色素形成を担う細胞であり、主にメラニンという色素を生成する役割を果たす。この細胞は皮膚の表皮基底層や毛包に存在し、紫外線(UV)から体を守る重要な働きを持つ。

特徴

  1. 形態
    • メラニン細胞は樹状の形状を持ち、多数の突起を伸ばして周囲の角化細胞と接している。
    • この突起を通じて、生成したメラニンを角化細胞に供給する。
  2. 局在
    • 主に表皮の基底層に分布しており、一定の割合(約10~15%)で存在している。
    • また、毛包、眼(虹彩や網膜)、内耳の蝸牛などにも存在する。
  3. 色素の産生
    • メラニン細胞はメラノソームと呼ばれる細胞内小器官でメラニンを合成する。
    • 合成されたメラニンは、突起を介して周囲の角化細胞に運ばれ、紫外線の保護を行う。

機能

  1. メラニンの生成
    • チロシナーゼという酵素の働きによって、アミノ酸であるチロシンからメラニンが合成される。
  2. 紫外線からの防御
    • メラニンは紫外線を吸収・分散し、DNAが損傷するのを防ぐ。
    • 紫外線の刺激を受けると、メラニンの産生が促進され、皮膚が黒くなる(いわゆる日焼け)。
  3. 色素沈着の形成
    • メラニンは角化細胞に取り込まれ、皮膚や毛髪の色を決定する。
    • この色素沈着の程度は、遺伝的要因、ホルモン、紫外線の影響を受ける。

関連疾患

  1. 白斑(Vitiligo)
    • メラニン細胞が局所的または広範囲に破壊されることで、皮膚や毛髪が白くなる疾患。
    • 自己免疫反応が原因とされる。
  2. シミやそばかす
    • 紫外線の影響や加齢により、メラニンが過剰に産生され、局所的な色素沈着を引き起こす。
  3. アルビノ(Albino)
    • 遺伝的にメラニンが生成できない状態で、皮膚、毛髪、目が非常に薄い色になる。
    • チロシナーゼの欠損が原因とされる。
  4. 悪性黒色腫(メラノーマ)
    • メラニン細胞が悪性化して発生する皮膚がん。
    • 早期発見と治療が重要である。

紫外線応答とメラニン

紫外線を浴びると、メラニン細胞は紫外線を感知し、メラニンの産生を増加させる。この防御機構はDNA損傷を最小限に抑え、皮膚がんのリスクを軽減する重要な役割を果たしている。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次