ビタミンKは、脂溶性ビタミンの一種であり、主に血液凝固や骨代謝、細胞機能の調節に重要な役割を果たす。
1. 種類
ビタミンKは以下の3種類に分類されます
- ビタミンK1(フィロキノン)
- 主に植物性食品(緑黄色野菜など)に含まれる。
- 血液凝固に関与。
- ビタミンK2(メナキノン)
- 納豆や発酵食品、動物性食品に含まれる。
- 骨や動脈のカルシウム代謝に関与。
- 腸内細菌によっても一部合成される。
- ビタミンK3(メナジオン)
- 合成型のビタミンK。
2. 生理的役割
2.1 血液凝固
- 凝固因子の活性化
ビタミンKは、肝臓でプロトロンビン(凝固因子II)や凝固因子VII、IX、Xの活性化に必要なカルボキシル化反応を手助けする。
この反応により、これらの因子がカルシウムと結合し、血液凝固を円滑に進める。
2.2 骨代謝
- オステオカルシンの活性化
ビタミンKは、骨形成に関与するタンパク質であるオステオカルシンのカルボキシル化を促進し、骨の健康を維持する。
骨密度の低下や骨折予防に役立つとされています。
3. ビタミンKの摂取源
食品中の主な含有源
- ビタミンK1:ほうれん草、ケール、ブロッコリー、キャベツなどの緑黄色野菜。
- ビタミンK2:納豆、チーズ、ヨーグルト、レバーなど。
4. 不足と過剰摂取
ビタミンK不足
- 原因:
- 腸内細菌の異常(抗生物質の長期使用など)。
- 脂肪吸収障害(膵炎、胆汁うっ滞性疾患)。
- 栄養不足や未熟児。
- 症状:
- 血液凝固不全(出血傾向、紫斑)。
- 骨粗鬆症や骨折のリスク増加。
ビタミンK過剰
- 天然型(K1, K2)の過剰摂取による毒性はほとんど報告されていない。
5. 臨床的利用
- 新生児へのビタミンK投与
新生児は腸内細菌が未熟なため、出血リスクを防ぐためにビタミンKが投与される。 - 抗凝固薬との関連
ワルファリンなどの抗凝固薬は、ビタミンKの作用を抑制することで効果を発揮するため、食事中のビタミンK摂取量の管理が重要である。





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