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ヒ素(Arsenic)

ヒ素(Arsenic)は、周期表の15族(窒素族)に属する元素で、元素記号は As、原子番号は33である。

1. ヒ素の基本的な性質

  • 原子量: 約74.92 u
  • 状態: 自然界では固体。
  • : 金属的な灰色、黄色、黒色の3つの同素体が知られているが、金属光沢のある灰色が最も一般的。

2. ヒ素の毒性

2.1 ヒ素中毒

  • ヒ素は強い毒性を持ち、摂取や吸入、皮膚接触を通じて人体に有害な影響を及ぼす。
  • 急性中毒: 嘔吐、腹痛、下痢、脱水、ショック
  • 慢性中毒: 長期的な低濃度暴露により、皮膚の色素沈着、皮膚硬化、末梢神経障害、がん

3.2 無機ヒ素 vs 有機ヒ素

  • 無機ヒ素
    3価の無機ヒ素は、5価の無機ヒ素より毒性が高い
    爪、毛髪に蓄積
    無機ヒ素はヒトの体内でメチル化を受け、毒性の低いメチルアルソン酸ジメチルアルシン酸に変換される
  • 有機ヒ素(例: アルセナイト、有機ヒ素農薬など)は比較的毒性が低い
    環境中で土壌微生物によりメチル化されて生成する
    メチルアルソン酸ジメチルアルシン酸
    海産魚介類や海藻中に含有する
    アルセノベタイン(ヒトの体内では生成しない)

3. ヒ素と環境問題

  • 自然界での分布: ヒ素は鉱石や土壌、水中に自然に存在する。特に、地下水中のヒ素濃度が高い地域は深刻な健康問題を引き起こす。
  • 汚染源:
    • 鉱業や冶金業、農薬の使用がヒ素汚染の主な原因。
    • 地下水汚染は、飲料水を通じたヒ素暴露の主要経路である。

    4. ヒ素の正と負の側面

    • 正の側面: 半導体や医薬品としての利用など、特定の分野では重要な物質である。
    • 負の側面: 強い毒性と環境汚染の問題があり、特に飲料水を介した慢性的な健康被害が課題となっている。
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