コロナウイルス(Coronavirus)は、コロナウイルス科(Coronaviridae)に属するウイルスの一群で、一本鎖のプラス鎖RNAウイルスである。このウイルスは、ヒトを含む哺乳類や鳥類に感染し、呼吸器や消化器の疾患を引き起こすことで知られている。特にヒトに感染するコロナウイルスは、軽い風邪から重篤な呼吸器疾患まで幅広い症状を引き起こす。
特徴
- 遺伝情報
- コロナウイルスは、RNAゲノムを有する。
- 構造
- 球形で直径約80~120nm。
- 外側はエンベロープ(脂質膜)に覆われており、表面に突起状のスパイクタンパク質(Sタンパク質)を有する。
- スパイクタンパク質は宿主細胞への侵入に重要であり、ヒトではACE2受容体に結合して感染する。
重症化を引き起こすコロナウイルス
- SARS-CoV(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス): 2002年~2003年に流行。
- MERS-CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス): 2012年以降中東を中心に発生。
- SARS-CoV-2(新型コロナウイルス): 2019年に初めて確認され、COVID-19パンデミックの原因。
感染経路
- 主に飛沫感染や接触感染を介して広がる。
- SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)は、エアロゾル感染やウイルスが付着した物体を介した感染を起こすことがある。
症状
感染症の症状は軽度から重度まで多岐にわたる。
- 軽症
- 発熱、咳、喉の痛み、倦怠感
- 鼻づまり、鼻水、頭痛
- 嗅覚や味覚の喪失(SARS-CoV-2特有)
- 重症
- 呼吸困難、肺炎、胸の痛み
- 敗血症や多臓器不全
- 持病を持つ人、高齢者、免疫が低下した人で重症化リスクが高い。
診断と治療
- 診断
- PCR検査:ウイルスRNAを検出する方法。
- 抗原検査や抗体検査も使用される。
- 治療
- 軽症:症状に応じた対症療法。
- 重症:酸素投与、人工呼吸器の使用、抗ウイルス薬や免疫調整剤など。
予防方法
- ワクチン接種
- SARS-CoV-2に対しては、mRNAワクチンやウイルスベクターワクチンが開発され、高い予防効果を示す。
- 感染予防策
- マスクの着用、手洗い、換気の徹底、人混みを避ける。
- 社会的距離の確保。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について
2019年末に中国で初めて発見された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、世界中で急速に拡大し、パンデミックを引き起こした。
コメント