飢餓状態のエネルギー代謝
全身に十分なエネルギーの供給が行えない状態(飢餓状態など)では、体内でケトン体(アセト酢酸、3–ヒドロキシ酪酸、アセトン)がエネルギー源として生成される
ケトン体の生成
血中のグルコースが十分供給できない場合、肝臓のミトコンドリアで脂肪酸の分解が亢進し、アセチルCoAが供給される
供給されたアセチルCoAはオキサロ酢酸と結合し、クエン酸となりクエン酸回路により代謝されるが、アセチルCoAが過剰となり、オキサロ酢酸が不足すると、アセチルCoAは別の経路に移行し、ケトン体が合成される
飢餓状態とケトアシドーシス
- 飢餓状態で生成されるアセト酢酸、3–ヒドロキシ酢酸は酸性度が高いため、蓄積すると体内のpHが酸性に傾く(この状態をケトアシドーシスという)
- ケトアシドーシスでは消化器症状、過呼吸を伴い、場合によっては意識障害を伴うことがある
- インスリンが不足している状態では、グルコースを細胞内に取り込むことができなくなり、ケトン体の生成が亢進し、ケトアシドーシスを呈することがある
余剰エネルギーを蓄える仕組み
余剰のエネルギーは、グリコーゲンとなり貯蔵されるが、グリコーゲン貯蔵量はすぐに飽和に到達する
グリコーゲン貯蔵量が飽和した状態でさらに余剰なエネルギーが存在すると、脂肪(トリアシルグリセロール:TG)の合成に利用される





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