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グルタラール(Glutaral、グルタルアルデヒド)

グルタラール(グルタルアルデヒド)は、強力な殺菌・消毒作用を持つアルデヒド系の消毒薬である。広範囲の微生物に対して有効であり、医療機器や器具の消毒・滅菌に用いられる。

1. 化学的性質

  • 化学式:C₅H₈O₂
  • 分子量:100.12 g/mol
  • 構造:直鎖状のジアルデヒド(両端にアルデヒド基を持つ)

2. 作用機序

グルタラールは、アルデヒド基(-CHO)の反応性により、細菌・ウイルス・真菌の構造や機能を破壊する。

  1. タンパク質の架橋結合
    • 細菌の酵素や細胞膜タンパク質のアミノ基(-NH₂)と反応し、不可逆的な架橋(クロスリンク)を形成する。
    • 細胞機能が失われ、微生物が死滅する。
  2. 核酸の損傷
    • 細菌やウイルスのDNA・RNAと結合し、遺伝情報の転写・複製を阻害する。

3. 抗菌スペクトル

グルタラールは、広範囲の病原微生物に有効である。

効果がある

  • 細菌(グラム陽性菌・グラム陰性菌)
  • ウイルス(エンベロープあり・なし)
  • 真菌(カンジダ、アスペルギルスなど)
  • 芽胞形成菌

4. 用途

グルタラールは、医療分野で強力な消毒・滅菌剤として使用される。

① 医療機器・器具の消毒

  • 内視鏡・手術器具・歯科器具の消毒・滅菌
  • 金属やプラスチック製品にも使用可能

② 病院・研究施設での環境消毒

  • 病院の病室・手術室の消毒
  • ウイルス・細菌の感染対策

5. 使用上の注意点・副作用

① 毒性・刺激性が強い

  • 皮膚・粘膜に強い刺激を与えるため、直接触れないようにする。
  • 吸入すると呼吸器刺激・アレルギー反応を引き起こす可能性がある。
  • 目に入ると強い炎症を引き起こすため、保護具(手袋・ゴーグル)を着用して使用する。

② 長時間の接触は避ける

  • 長時間の接触は皮膚炎やアレルギーを引き起こす可能性があるため注意が必要。

③ 使用後の十分な洗浄が必要

  • 医療機器の消毒後は、必ず十分に水で洗浄し、グルタラールを完全に除去する。
  • 残留した場合、人体への影響が懸念される。

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