グリコーゲンは、動物や真菌がエネルギーを貯蔵するために合成する多糖類である。特に肝臓や筋肉に高濃度で存在し、必要に応じて分解されてエネルギー源として利用される。グリコーゲンは、グルコースが多数結合したポリマーであり、デンプンと類似しているが、より分岐が多い構造を持つ。
グリコーゲンの構造
グリコーゲンは、グルコース分子がα-1,4-グリコシド結合で直鎖状に連結され、またα-1,6-グリコシド結合によって頻繁に分岐を持つ点が特徴的である。これにより、グリコーゲンは非常に高い分岐密度を持ち、グルコース分子を効率的に貯蔵できる。
- アミロースやアミロペクチンと異なり、グリコーゲンは分岐が多いため、迅速にグルコースを放出できる構造となっている。
グリコーゲンの役割
- エネルギーの貯蔵:
- グリコーゲンは、動物が短期間に利用できるエネルギー源を貯蔵するために使われる。特に肝臓では血糖の調整、筋肉では運動時のエネルギー供給に重要な役割を果たす。
- 肝臓での役割:
- 肝臓に貯蔵されたグリコーゲンは、必要に応じてグリコーゲン分解を通じてグルコースに変換され、血糖値を維持する役割を果たす。
- 筋肉での役割:
- 筋肉内のグリコーゲンは、主に運動中のエネルギー供給源として利用される。
グリコーゲンの合成と分解
- 合成(グリコーゲン合成):
- グリコーゲンは、グルコースから合成される。まず、グルコースはグルコース-6-リン酸に変換され、さらにグルコース-1-リン酸に変換される。最後に、グリコーゲン合成酵素が働き、グリコーゲン分子を作り出す。
- 分解(グリコーゲン分解):
- グリコーゲンが必要なときは、グリコーゲンホスホリラーゼという酵素が働いて、グリコーゲン分子をグルコース-1-リン酸に分解する。その後、グルコース-1-リン酸はグルコース-6-リン酸に変換され、最終的にグルコースとして放出される。
グリコーゲンの調節
グリコーゲンの合成と分解は、ホルモンや神経系の調整を受けて行われる。
- インスリン:
- インスリンは血糖値が高いときに分泌され、グリコーゲン合成を促進する。
- グルカゴン:
- グルカゴンは血糖値が低いときに分泌され、グリコーゲン分解を促進して血糖値を上昇させる。
- アドレナリン:
- アドレナリン(エピネフリン)は、運動やストレスに応じて分泌され、筋肉や肝臓でのグリコーゲン分解を促進する。




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