薬剤師国家試験出題項目

クロマトグラフィーを用いた定性、定量

1 定性 

 日本薬局方において、医薬品の確認試験として薄層クロマトグラフィーが用いられている。薄層クロマトグラフィー用いた確認試験では、Rf値が用いられる。

<参考:薄層クロマトグラフィーの概要>
薄層板上の原線に試料をスポットした後、風乾し、その後、展開溶液(移動相)に入れておく。一定の距離を展開後、薄層を取り出し、原線上のスポットの位置から展開した溶媒先端までの距離(a)と原線から展開後の試料のスポットの中心までの距離(b)を測定し、Rf値を求める。

2 定量 

 クロマトグラムを用いて、定量する際には各ピークの大きさを測定する必要がある。ピークの大きさを表す指標として、ピーク高さやピーク面積が用いられる。

1)ピーク測定法 

 ピーク測定法には、ピーク高さ法とピーク面積法がある。

2)定量法 

 クロマトグラフィーを用いた定量法では、通例、既知量の被検成分の標準品を用いて、検量線を作成し、その後、試料のピーク高さやピーク面積の値を求め、その値と検量線により被検成分の定量を行う。検量線を用いる定量法には、絶対検量線法、内標準法、標準添加法がある。

<絶対検量線法>
①:標準品の濃度が段階的に異なる溶液を調製する。
②:①で作成した溶液の一定量をカラムに注入し、得られたクロマトグラムのピーク高さやピーク面積より検量線を作成する。

③:濃度未知の試料溶液を標準品と同一の条件で分離分析し、得られたクロマトグラムよりピーク高さやピーク面積を求める。
④:③で求めたピーク高さ、ピーク面積の値より、検量線を用いて定量を行う。

・絶対検量線法の欠点
試料溶液の注入量が厳密に一定でないと、定量誤差が生じることがある。
例えば、試料溶液を1µL注入するところを誤って2µL注入した場合、ピーク高さ及びピーク面積が2倍となり、定量誤差が生じる。

<内標準法>
①:被検成分にできるだけ近い保持時間で溶離し、かつ試料中の他の成分のピークとも完全に分離する安定な物質を内標準物質として選定する。
②:標準品の濃度が段階的に異なる溶液を調製し、そこに一定量の内標準物質を添加する。
③:②で作成した溶液の一定量をカラムに注入し、得られたクロマトグラムのピーク高さの比(標準品のピーク高さ/内標準物質のピーク高さ)やピーク面積の比(標準品のピーク面積/内標準物質のピーク面積)より検量線を作成する。

④:一定量の内標準物質を添加した濃度未知の試料溶液を標準品と同一の条件で分離分析し、得られたクロマトグラムよりピーク高さの比やピーク面積の比を求める。
⑤:④で求めたピークの比やピーク面積の比より、検量線を用いて定量を行う。

・内標準法について
内標準法では、絶対検量線法と異なり、ピーク比を用いるため、試料溶液の注入量が厳密でなくても、定量が可能である。ただし、適切な内標準物質の選定が難しい場合がある。

<標準添加法>
①:試料溶液を一定量分取する。
②:①の溶液に標準品を濃度が段階的になるように加える。
③:②で作成した溶液の一定量をカラムに注入し、得られたクロマトグラムのピーク高さやピーク面積より検量線を作成する。

④:得られた検量線を横軸に対して外挿し、横軸切片より試料溶液の濃度を求める。

・定量法の選択について
液体クロマトグラフィーの定量については、通常、内標準法によるが、適当な内標準物質が得られない場合は、絶対検量線法による。また、ガスクロマトグラフィーの定量については、通例、内標準法によるが、適当な内標準物質が得られない場合は、絶対検量線法による。また、被検成分以外の成分の影響が無視できない場合は標準添加法による。

◇関連問題◇
第90回問28

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