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カルシウム(Ca)

カルシウムは、人体に最も多く存在するミネラルの一つで、骨や歯の主要な構成成分として知られている。また、血液の凝固、筋肉の収縮、神経伝達、細胞の機能調節など、生命維持に必要な多くの生理機能に関与している。カルシウムの記号はCaで、原子番号20の元素である。

カルシウムの主な役割

  1. 骨や歯の形成と維持
    • 体内のカルシウムの約99%が骨や歯に蓄えられており、これらの強度を保つ役割を果たす。
    • 骨はカルシウムの貯蔵庫としても機能し、不足時には血液中へ供給される。
  2. 血液凝固
    • 血液が凝固する際に必要な因子として働く(凝固因子の活性化に関与)。
  3. 筋肉の収縮
    • 筋肉の収縮を制御するために不可欠。特に心筋や平滑筋の動きにも影響を及ぼす。
  4. 神経伝達
    • 神経細胞間の信号伝達を助け、脳や筋肉との情報のやり取りを調整する。
  5. 細胞の機能調節
    • 細胞内外でのカルシウム濃度の調節を通じて、ホルモン分泌や酵素活性、免疫反応などの多くの細胞活動に関与する。

カルシウムの供給源

  1. 食品からの摂取
    • 乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト)
    • 魚類(小魚、いわし、ししゃもなどの骨ごと食べられる魚)
    • 野菜(ホウレンソウ、小松菜、ブロッコリー)
    • 大豆製品(豆腐、納豆、豆乳)
    • ナッツ類(アーモンドなど)
    • カルシウム強化食品(強化ミルクやシリアルなど)
  2. サプリメント
    • カルシウムが不足しがちな場合、カルシウムサプリメントが補助的に使用されます。
  3. ビタミンDとの関係
    • カルシウムの吸収にはビタミンDが重要。ビタミンDは小腸でのカルシウム吸収を手助けする。

カルシウム不足の影響

  1. 骨の弱化
    • 小児:くる病(骨の発達障害)
    • 成人:骨軟化症骨粗鬆症(骨密度の低下)
  2. 筋肉や神経の異常
    • 筋肉のけいれん(テタニー症状)や神経伝達異常。
  3. 血液凝固の遅延
    • 出血が止まりにくくなる可能性がある。

カルシウム過剰摂取の影響

カルシウムを過剰に摂取すると、高カルシウム血症を引き起こす可能性がある。これにより以下のような症状が現れる場合がある:

  • 悪心、嘔吐、便秘
  • 腎結石の形成
  • 骨や関節の痛み
  • 心機能の異常(不整脈)

 

カルシウムと健康

  1. 骨粗鬆症予防
    • 骨密度を維持するためにカルシウムの適切な摂取が不可欠。
    • 心血管疾患との関係
      • 適量のカルシウム摂取は、心血管系の健康を維持するのに役立つとされている。

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