オセルタミビルリン酸塩

薬剤名

一般名:オセルタミビルリン酸塩
代表薬剤の商品名:タミフル

ステム:抗ウイルス薬:–vir

構造

薬効分類

抗インフルエンザウイルス剤

薬効薬理・作用機序

オセルタミビルリン酸塩はプロドラッグであり、代謝によりオセルタミビル活性体に変換される。この活性体がノイラミニダーゼに選択的に結合することにより、感染細胞からのインフルエンザウイルスの遊離を抑制する(下図の⑦の部分を抑制する)。また、インフルエンザウイルスが互いに凝集することでそれ以上の増殖が抑制される。

<インフルエンザウイルスの増殖>

①:インフルエンザウイルスのエンベロープに突出しているHA(ヘマグルチニン)が宿主細胞膜に存在するシアル酸に結合する。その後、インフルエンザウイルスがエンドサイトーシスにより宿主細胞に取り込まれる。②:膜融合、脱核により細胞内にRNAが放出される。③:mRNAの合成される。④:ウイルスRNAが複製される。⑤:mRNAよりウイルスタンパク質が合成される。⑥:ウイルスRNAとウイルスタンパク質より新たなインフルエンザウイルスが発生する。⑦:NA(ノイラミニダーゼ)により、HAと宿主細胞膜に存在するシアル酸の結合が切断され、増殖したインフルエンザウイルスが宿主細胞から遊離する。

適応症

●A型またはB型インフルエンザウイルス感染症およびその予防

禁忌

・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

体内動態

・腎消失型薬物
(腎機能障害患者では投与量を調節する必要がある。)
・食事の影響を受けない

副作用

1)主な副作用

下痢、腹痛、悪心 など

2)重大な副作用

1 ショック、アナフィラキシー
2 肺炎
3 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
4 皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症
5 急性腎障害
6 白血球減少、血小板減少
7 精神・神経症状、異常行動
8 出血性大腸炎、虚血性大腸炎

注意:全ての副作用を記載したものではありません。詳細は添付文書等で確認してください。

類似薬との比較

・他のノイラミニダーゼ阻害薬(ザナミビル、ラニナミビル、ペラミビル)と異なり経口投与で用いられる。
・バロキサビルマルボキシル(ゾフルーザ)と異なる作用機序で効果を示す。

補足

・タミフルと異常行動は因果関係がないとされている。現在、タミフル服用中に認められる異常行動は、インフルエンザに罹患することにより誘発されると考えられている。
・上記の理由により、2018年8月より10歳代への処方制限が解除された。
・迅速検査キッドで陰性の場合でも問診、症状などによりインフルエンザと診断した場合には、処方することが可能である。
・経口投与することが可能であるため、重症例にも用いることができる。
・タミフルを予防目的で投与する場合には、保険給付の対象とはならない。
・AH1pdm09亜型の一部でタミフル耐性ウイルスが検出されているが、AH3亜型とB型ではタミフル耐性ウイルスは検出されていない。


(注意事項)
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