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エンドトキシン

エンドトキシン(endotoxin)は、グラム陰性細菌の細胞壁外膜に存在するリポ多糖(LPS: Lipopolysaccharide)であり、細菌が死滅または分裂する際に放出される。
強力な免疫刺激物質であり、ヒトや動物に重篤な炎症反応を引き起こす可能性がある。

特徴

  1. 構造
    • エンドトキシンはリポ多糖(LPS)から構成され、以下の3つの主要な構造部分を持ちます:
      • リピドAエンドトキシンの毒性の主成分。免疫系を活性化。
      • コア多糖:構造を安定化する部分。
      • O抗原:細菌種ごとに異なる構造を持つ多糖。
  2. 放出のタイミング
    • 細菌が死滅、分裂、または溶菌した際に細胞壁から放出される。
  3. 生理的影響
    • エンドトキシンが免疫系に認識されると、炎症性サイトカイン(IL-1、TNF-αなど)の産生を引き起こす。
    • 適量であれば防御反応として機能しますが、過剰な反応は全身性炎症(敗血症性ショック)を誘発する。

症状

エンドトキシンが体内に侵入すると以下の症状を引き起こすことがある。

  • 軽症の場合:発熱、悪寒、倦怠感。
  • 重症の場合:
    • 血圧低下(低血圧)。
    • 臓器不全(肝臓、腎臓、肺など)。
    • 敗血症性ショック(septic shock): 致死的な状態に陥ることもある。

主な原因細菌

エンドトキシンを持つ代表的なグラム陰性細菌には以下のものがある

  • 大腸菌(Escherichia coli)
  • 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)
  • 肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)
  • 腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)

侵入経路

エンドトキシンは通常、以下の経路で人体に影響を及ぼします:

  1. 感染:グラム陰性菌による感染症(尿路感染症、肺炎、腸炎など)。
  2. 医療器具:不適切に滅菌された医療機器を使用することで体内に侵入。
  3. 輸液製剤:汚染された輸液や薬剤を投与。

エンドトキシンは、生体防御の一部として機能する一方で、過剰反応が重篤な健康被害を引き起こすため、適切な管理と治療が重要である。

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