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エンテロトキシン

エンテロトキシン(enterotoxin)は、特定の細菌が産生する毒素(タンパク質またはペプチド)で、主に腸管(小腸や大腸)に作用して中毒症状を引き起こす物質である。エンテロトキシンは食品中で細菌が増殖する際に産生されることが多く、食中毒の原因として知られている。

特徴

【作用部位】
主に腸管の粘膜に影響を与え、細胞内のイオンバランスや水分の吸収・分泌に影響を与える。

【症状】
下痢、腹痛、吐き気、嘔吐などの急性胃腸炎症状を引き起こす。

【耐熱性】
 一部のエンテロトキシン(例: 黄色ブドウ球菌が産生するもの)は非常に耐熱性が高く、通常の加熱調理では分解されない。

主な細菌とエンテロトキシン

  1. 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
    • 毒素: 黄色ブドウ球菌エンテロトキシン(SE: Staphylococcal enterotoxin)
    • 特徴:耐熱性があり、食品中で増殖して毒素を産生。
    • 症状:食後数時間以内に激しい嘔吐や下痢。
    • コレラ菌(Vibrio cholerae)
      • 毒素:コレラ毒素(Cholera toxin, CT)
      • 症状:大量の水様性下痢(米のとぎ汁様の下痢)。

    感染経路

    • 汚染された食品や水を摂取。
    • 細菌が食品内で増殖し毒素を産生した場合。
    • 人の手や調理器具からの二次汚染。

    予防方法

    • 衛生管理:調理前の手洗い、調理器具の消毒。
    • 食品管理:食品を適切な温度で保存(細菌が増殖しやすい温度帯を避ける)。
    • 加熱調理::食材を十分に加熱する(ただし、耐熱性の毒素は分解されない場合もある)。

    エンテロトキシンによる中毒を防ぐには、食品の取り扱いや保存に細心の注意を払うことが重要である。

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