MENU
YAKUZERO オンライン授業コース クリック

ウラシル(Uracil)

ウラシル(Uracil)は、ピリミジン塩基に分類される有機化合物で、RNA(リボ核酸)を構成する基本的な塩基である。遺伝情報の伝達やタンパク質合成の過程で重要な役割を果たし、生体内で幅広い機能を有している。

1. 基本情報

  • 化学式: C₄H₄N₂O₂
  • 構造:
    ピリミジン環に2つのカルボニル基(C=O)と1つのイミノ基(NH)を持つ構造。メチル基を持たない点で、チミンと異なる。
  • 分子量: 112.09 g/mol

2. 生体内での役割

2.1 RNAの構成成分

  • ウラシルは、RNAの塩基の1つとして機能する。
  • RNAでは、アデニン(A)と特異的に2本の水素結合を形成し、塩基対(A-U)を形成する。
  • DNAではウラシルの代わりにチミン(T)が使用されるため、ウラシルはDNAには通常含まれない。

2.2 エネルギー代謝の補助

  • ウラシルは、ウリジン三リン酸(UTP)の構成成分として、エネルギー代謝や糖代謝に関与する。
  • UTPは、グリコーゲン合成において重要な役割を果たす。

2.3 合成経路の補助

  • ウラシルは、細胞内でシチジン三リン酸(CTP)など他のヌクレオチドの合成に利用される。

3. 生合成と代謝

3.1 デノボ合成経路

  • ウラシルは、生体内でピリミジンヌクレオチドのデノボ合成経路によって合成される。
  • 原料としてグルタミンアスパラギン酸、二酸化炭素が利用されます。

3.2 サルベージ経路

  • RNAやピリミジンヌクレオチドの分解産物として生じたウラシルは、サルベージ経路で再利用されることがある。

4. ウラシルの損傷と修復

4.1 脱アミノ化

  • シトシンが脱アミノ化されると、ウラシルが生成されることがある。この過程がDNAで起きると、塩基配列に誤りを生じる可能性がある。
  • 生体内では、DNA修復機構(塩基除去修復)によって、ウラシルが正しい塩基に置き換えられる。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次