糖尿病は、インスリン作用の不足により慢性的な高血糖状態を示す代謝疾患である。
慢性高血糖の主な原因は、インスリン分泌不全とインスリン抵抗性の増大である。
高血糖状態が長期間続くと、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症などの合併症につながる。
覚えること
- 膵臓ランゲルハンス島の細胞とホルモン
A(α)細胞 → グルカゴン
B(β)細胞 → インスリン
D(δ)細胞 → ソマトスタチン - グルカゴン
血糖値が低下すると分泌が促進され、血糖値を上昇させる。 - インスリン
血糖値が上昇すると分泌が促進され、血糖値を低下させる。 - グルカゴン受容体
Gsタンパク質共役型受容体であり、cAMPを増加させる。 - インスリン受容体
チロシンキナーゼ内蔵型受容体である。 - インスリン分泌
ATP感受性K+チャネル閉鎖 → 脱分極 → 電位依存性Ca2+チャネル開口 → インスリン分泌 - Cペプチド
内因性インスリン分泌能の指標となる。
しもっちこの分野は最初から細かい作用を全部覚えようとすると、ごちゃごちゃしやすいです。
まずは「グルカゴン=血糖を上げる」「インスリン=血糖を下げる」という大きな方向を押さえましょう。
そこから「どの細胞から出る?」「受容体は?」「どうやって分泌される?」と知識をつなげていくと整理しやすいですよ。
まずは「グルカゴン=血糖を上げる」「インスリン=血糖を下げる」という大きな方向を押さえましょう。
そこから「どの細胞から出る?」「受容体は?」「どうやって分泌される?」と知識をつなげていくと整理しやすいですよ。
膵臓ランゲルハンス島から分泌されるホルモン
膵臓ランゲルハンス島には複数の内分泌細胞が存在し、それぞれ異なるホルモンを分泌する。



まずは「α=グルカゴン、β=インスリン、δ=ソマトスタチン」を整理しましょう。
特にグルカゴンとインスリンは、血糖を上げる・下げるという反対の働きをするので、セットで覚えると整理しやすいです。
特にグルカゴンとインスリンは、血糖を上げる・下げるという反対の働きをするので、セットで覚えると整理しやすいです。
グルカゴン
グルカゴンは29個のアミノ酸からなる単鎖ペプチドであり、膵臓ランゲルハンス島A(α)細胞から分泌される。
分泌調節
血糖値が低下するとグルカゴン分泌は促進され、血糖値が上昇すると分泌は抑制される。
つまり、グルカゴンは低血糖時に血糖を上げる方向に働くホルモンである。
作用機序
グルカゴン受容体はGsタンパク質共役型受容体である。



グルカゴンは「血糖を上げる」とだけ覚えるのではなく、Gs → cAMP → PKAまでつなげましょう。この流れが分かれば、グリコーゲン分解が進むことも考えやすくなります。
インスリン
インスリンは51個のアミノ酸からなるポリペプチドであり、膵臓ランゲルハンス島B(β)細胞から分泌される。A鎖は21個、B鎖は30個のアミノ酸からなり、A鎖とB鎖はジスルフィド結合(S-S結合)によって連結されている。
インスリンの分泌機構
血糖値が上昇すると、グルコースが膵β細胞に取り込まれ、インスリン分泌が促進される。




インスリン分泌機構では、ATP感受性K+チャネルが閉じることが重要です。
K+が外へ出にくくなることで膜が脱分極し、電位依存性Ca2+チャネルが開きます。
K+が外へ出にくくなることで膜が脱分極し、電位依存性Ca2+チャネルが開きます。
インスリン受容体と作用
インスリン受容体はチロシンキナーゼ内蔵型受容体である。
インスリンが受容体に結合すると、受容体のチロシンキナーゼ活性が亢進し、細胞内シグナル伝達が開始される。
骨格筋や脂肪細胞では、GLUT4が細胞内から細胞膜上へ移動し、グルコースの細胞内取り込みが促進される。
主な生理作用
- グルコースの細胞内取り込み促進(主に骨格筋・脂肪組織)
- グリコーゲン合成促進
- グリコーゲン分解抑制
- トリグリセリド合成促進
- 脂肪分解抑制
- タンパク質合成促進
- タンパク質分解抑制
- 血清K+値低下



インスリンは「血糖を下げるホルモン」だけではありません。
グルコース・脂質・アミノ酸を体内に取り込んで貯める方向に働くホルモンと考えると、作用をまとめて整理できます。
グルコース・脂質・アミノ酸を体内に取り込んで貯める方向に働くホルモンと考えると、作用をまとめて整理できます。
インスリンの生合成
膵β細胞では、まずプレプロインスリンが合成される。
その後、プロインスリンとなり、さらにCペプチドが切り離されることでインスリンが生成する。



Cペプチドは、体内でどれくらいインスリンを作れているかを見るときに重要です。外から投与したインスリンにはCペプチドが含まれないため、内因性インスリン分泌の評価に使えます。
ソマトスタチン
ソマトスタチンは膵臓ランゲルハンス島D(δ)細胞から分泌される。
膵臓では、グルカゴンおよびインスリンの分泌を抑制する。
グルカゴンとインスリンを比較しよう
国家試験での狙い目
- 「A(α)細胞」
→ グルカゴン - 「B(β)細胞」
→ インスリン - 「D(δ)細胞」
→ ソマトスタチン - 「Gs → cAMP → PKA」
→ グルカゴン - 「ATP感受性K+チャネル閉鎖」
→ インスリン分泌 - 「チロシンキナーゼ内蔵型受容体」
→ インスリン受容体 - 「GLUT4の細胞膜への移動」
→ 骨格筋・脂肪細胞へのグルコース取り込み促進 - 「Cペプチド」
→ 内因性インスリン分泌能の指標 - 「血清K+値低下」
→ インスリンの作用









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