薬剤師国家試験出題項目

イオン強度

1 電解質溶液における活量、活量係数

水溶液中では、強電解質は完全に解離していると考えられているにも関わらず、強電解質水溶液が示すモル伝導率は、濃度の増加とともに低下する。これは、強電解質の間にも相互作用が働き、その影響が現れたためである。そこで、電解質溶液においても、濃度の代わりに活量を定義する必要がある。電解質溶液の活量は、陽イオンの活量a、陰イオンの活量aを幾何平均した平均活量a±で表す。一価−一価型電解質溶液において、平均活量a±および平均活量係数γ±は以下のように表される。


2 イオン強度

平均活量係数は、イオン間の相互作用(イオン強度)に依存する。イオン間の相互作用を表すイオン強度については、下記の式で表される。

ここでは、Ciはイオン種iの濃度、ziはイオン種iの電荷を表しており、この式よりイオン強度は溶液中のすべてのイオン種について、それぞれのイオンのモル濃度と原子価の2乗の積を加え合せたものの1/2である。

<イオン強度の求め方>
例)0.01mol/L NaClにおけるイオン強度
0.01mol/L NaClの水溶液中では、Naが0.01mol/L、Clが0.01mol/L存在する。また、Naの電荷が+1、Clの電荷が-1であることから、以下のようにイオン強度を求めることができる。

①:Naの濃度と電荷の2乗を求める。
Naの濃度と電荷の2乗=0.01×(+1)2=0.01
②:Clの濃度と電荷の2乗を求める。
Clの濃度と電荷の2乗=0.01×(-1)2=0.01
③:①+②×1/2
(0.01+0.01)×1/2=0.01

<参考:電解質の種類とイオン強度の関係>
・1価−1価の電解質:I=電解質のモル濃度
・1価−2価の電解質:I=3×電解質のモル濃度
・2価−2価の電解質:I=4×電解質のモル濃度


3 イオン強度と平均活量係数

25℃において平均活量係数γ±とイオン強度Iとの間には、下記の関係式が成立する。

ここで、Zは陽イオンの電荷、Zは陰イオンの電荷である。
この式は、デバイ・ヒュッケルの極限則といわれ、希薄溶液におけるイオン強度と平均活量係数の関係を示している。デバイ・ヒュッケルの極限則より、希薄溶液においては、イオン強度が増大するとともに平均活量係数が1より低くなるといえる。

<注意>
デバイ・ヒュッケルの極限則は、高濃度溶液では成立しない。このことから、高濃度の強電解質溶液では、平均活量係数が1より大きくなることがある。

◇関連問題◇
第95回問21、第101回問94、第104回問97

◇テキスト◇
イオン強度 テキスト PDF

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