薬剤師国家試験出題項目

アルツハイマー型認知症治療薬

1 アルツハイマー型認知症

 アルツハイマー型認知症とは、神経細胞外のアミロイドβ(Aβ)沈着による老人斑と神経細胞内の異常タウタンパク蓄積による神経原線維変化により、脳萎縮や認知障害が発現する神経変性疾患である。アルツハイマー型認知症では、中核症状(記憶障害、見当識障害、失語・失認、遂行機能障害)と周辺症状(不眠、過食、異食、徘徊、興奮・暴行、不安・焦燥、抑うつ、幻覚・妄想)が認められる。中核症状に対してはコリンエステラーゼ阻害薬、NMDA受容体拮抗薬が用いられ、周辺症状に対しては非定型抗精神病薬や漢方薬(抑肝散)が用いられる。

2 アルツハイマー型認知症治療薬

1)中枢性コリンエステラーゼ阻害薬

① ドネペジル ② ガランタミン ③ リバスチグミン

アルツハイマー型認知症の進行抑制に用いられるChE阻害薬、第3級アミンであり、血液脳関門を通過し、中枢作用を示す。
ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンは、中枢のChEを阻害し、シナプス間隙のAChの濃度を上昇させることによりアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行を抑制する。
ガランタミンは、ニコチン性アセチルコリン受容体アロステリック部位に結合し、ニコチン性アセチルコリン受容体感受性を増大させる。
・リバスチグミンは、ブチルコリンエステラーゼを阻害することにより、アセチルコリン濃度を上昇させる。
・ドネペジルは、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制に用いられる。
・ガランタミン、リバスチグミンは、アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制(軽度〜中等度)に用いられる。
・副作用として、消化器症状(食欲不振、悪心、嘔吐、腹痛など)、不整脈(徐脈、ブロックなど)、めまい、傾眠、精神症状が現れることがある。
・消化器系の副作用を避けるために少量から投与を開始する。
・アルツハイマー型認知症の進行の度合い、使用回数、剤型による使い分けを行う。
ドネペジル:1日1回内服、軽度〜重度のアルツハイマー型認知症に用いることができる
ガランタミン:1日2回内服、軽度〜中等度のアルツハイマー型認知症に用いることができる
リバスチグミン:1日1回貼付、軽度〜中等度のアルツハイマー型認知症に用いることができる

2)NMDA受容体拮抗薬

① メマンチン

・メマンチンはNMDA受容体を非競合的に遮断することから神経保護作用及び記憶・学習機能障害を抑制する。
・中等度および高度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制に用いられる。
・アルツハイマー型認知症に対して、中枢性コリンエステラーゼ阻害薬と併用されることがある。
・半減期が長く、腎消失型薬物であるため、腎障害患者に投与する際には注意が必要である。

アルツハイマー型認知症とグルタミン酸
 アルツハイマー型認知症では、脳にある異常なタンパク質から過剰にグルタミン酸が放出され、グルタミン酸受容体のサブタイプであるNMDA受容体が過剰に活性化することにより記憶形成障害を起こすと考えられている。

◇関連問題◇
第99回問256〜257、第100回問212〜213、第100回問294〜295、第103回問182、第104回問220〜221

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