アクチンフィラメント（ミクロフィラメント）

アクチンフィラメントは、細胞骨格を構成する重要な成分の一つであり、細胞の形状の維持や細胞運動に関与する。アクチンフィラメントは、細胞の動的な変化に対応し、細胞の移動、分裂、内部輸送などの多くの生理的過程において重要な役割を果たす。

アクチンフィラメントの構造

アクチンフィラメントは、アクチンというタンパク質から構成される。アクチンは、細胞内でG-アクチン（グロブラーアクチン）として存在し、これが重合してF-アクチン（フィラメントアクチン）を形成する。F-アクチンは二本鎖構造を持ち、これがさらに長く連結してフィラメントを作り出す。アクチンフィラメントは直径約7nmの細いフィラメントで、細胞内で網目状に広がっている。

アクチンフィラメントの機能

1. 細胞の形状の維持: アクチンフィラメントは、細胞骨格の一部として細胞の形を維持するために重要である。細胞膜の内側に配置され、細胞の表面の形態や硬さを調整する。
2. 細胞分裂: アクチンフィラメントは、細胞分裂時の細胞質分裂にも重要な役割を果たす。細胞分裂の際に、アクチンフィラメントが収縮して収縮環を形成し、細胞の二分割を促進する。
3. 細胞内輸送: アクチンフィラメントは、細胞内での物質輸送にも関与する。特に、エンドサイトーシスやエキソサイトーシスの際に細胞内小器官や物質の移動に関与し、細胞内での構造的な安定性を保つ。
4. 筋収縮: 骨格筋、心筋、平滑筋などの筋肉細胞内では、アクチンフィラメントとミオシンという別のタンパク質が相互作用し、筋収縮を生じる。アクチンフィラメントは、ミオシンによって引き寄せられることによって筋肉が収縮する。