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α壊変(アルファ壊変)

α壊変は、原子核が不安定な状態にあるときにエネルギーを放出して安定化するために、α粒子(ヘリウム原子核)を放出する放射性崩壊の一種である。この現象は主に重い元素(例えばウランやラジウム)で認められる。

1. 基本的な特徴

  • 放出される粒子:
    α粒子は、2つの陽子と2つの中性子からなる、ヘリウム原子核である。
  • 変化する原子核:
    元の原子核(親核種)がα粒子を放出することで、新しい原子核(娘核種)に変化する。
  • 質量数と原子番号の変化:
    • 質量数(A)は4減少。
    • 原子番号(Z)は2減少。

2. α壊変の特性

2.1 半減期

  • α壊変をする核種は、長い半減期を持つことが多い。

2.2 α線の透過力

  • α線(α粒子)は、透過力が非常に低い。
    • 紙や皮膚で容易に遮断可能。
    • ただし、体内に取り込まれると、周囲の組織に強い損傷を与えます(内部被曝)。

3. α壊変の意義と応用

3.1 放射性年代測定

  • 放出されたα粒子による壊変生成物を測定することで、地質学や考古学で年代を推定が可能(例: ウラン-鉛法)。

3.2 医療と工業利用

  • 放射線治療: α線のエネルギーを利用したがん治療。
  • 放射線源: 照射装置や工業用の密封線源として利用。

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